3月3日〜6日にスペイン・バルセロナで開催された世界最大級のモバイル展示会「MWC Barcelona 2025」。サムスン電子やXiaomiなどの大手メーカーだけでなく、日本では知られていない新興メーカーも含め、世界から多くの企業が出展し、最新デバイスを披露した。その中から筆者が個人的に気になった7製品を紹介する。
中国・深センを拠点とするスマホメーカー、OUKITELのブースで注目を集めていたのは “1台3役” のスマホだ。背面に小さなサブディスプレイを搭載し、それを外すとワイヤレスイヤフォン(Bluetooth通話に対応)として使えて、付属のベルトに装着するとスマートウォッチにもなる。
OUKITELは耐久性に優れたスマホ・タブレットを専門に手掛けるメーカーだが、このWP200 Proも頑強な作りで、8800mAhの大容量バッテリーを搭載。ただしボディーは331gとかなり重めだ。価格は約700ドル(約10万円)となっている。
MWCの会期中、ずっとにぎわっていたのがTECNOのブース。TECNOは中国・深センに本社を置く新興メーカーで、ここ数年、急成長を遂げている。2024年はローラブルディスプレイを搭載したコンセプトモデルを展示して注目を集めたが、2025年は5.75mmの世界最薄スマホ「TECNO SPARK Slim」が大きな話題となった。
薄型スマホといえば、サムスンが「Galaxy S25 Slim」を発表し、スペックは公開されていないが、薄さは6.4mmといわれている。TECNO SPARK Slimは、それより0.65mm薄く、もはや限界と呼べる薄さだ。しかし、5200mAhの大容量バッテリーを搭載し、50メガピクセルのデュアルカメラも搭載。コンセプトモデルとしての出展だが、実際に操作できる端末として展示され、この薄型化技術を用いた商用モデルの発売を予定しているとのこと。
なお、TECNOはMWCの開催に合わせて「CAMON 40シリーズ」を発表。グレードが異なる4モデル展開で、カメラ性能と独自のAI機能に注力。非常に完成度が高く、日本市場でも支持されるのでは? と感じた。
MediaTek Dimensity 8350を搭載し、144Hz駆動のディスプレイ、50メガピクセルのトリプルカメラなどを備えたAMON 40シリーズの最上位モデル「CAMON 40 Premier」中国の総合家電メーカー、TCLは、独自開発の「NXTPAPER」というディスプレイを搭載する「TCL 60 SE」という最新モデルを出展していた。
NXTPAPERは、電子ペーパーのように反射を抑える性質を持ち、サラサラとした質感が特徴。消費電力が少なく、目にやさしいことも利点だ。「Max Ink」「Ink Paper」「Color Paper」の3つのモードを切り替えることができ、最も消費電力が少ないMax Inkモードでは、最大1週間の連続使用を見込めるという。
ディスプレイサイズは6.7型で、一般的なスマホと同じように使えて、50メガピクセルのデュアルカメラも搭載。TCL 60 SEは、発売済みの「TCL 60」の廉価版とあって、価格も189ユーロ(約3万円)とお手頃だ。TCLのスマホは、一時期日本でも発売されていた。もし、日本で発売されたら、コスパや電池持ちを重視するライトユーザーに人気を集めそうだ。
うっかり通り過ぎそうな小さなブースで見つけたのが、E Inkディスプレイを搭載したコンパクトなケータイ「Mudita Kompakt」。Muditaはポーランド・ワルシャワ発のメーカーで、ミニマリスト向けのシンプルな製品を展開している。
形状としてはスマホに見えるが、実は4Gまでに対応するフィーチャーフォン。電話、SMS、カメラ、カレンダー、電卓などのアプリを搭載し、オフラインで使えるマップをダウンロードすることもできるという。しかし、残念ながら日本語には対応していない。
デュアルSIM(nanoSIM+eSIM)で使えて、電池は最大6日間持つとのこと。439ユーロ(約7万1000円)とスペックのわりには高いが、あえてシンプルなケータイが欲しいというニーズもあるだろう。
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