「いまひとつという評価に悔しい気持ちだった」と黒住氏が言うカメラは、ハードウェア、ソフトウェア、使い勝手まであらゆる方面から見直し、アップグレードした。
背面のカメラはメインがサムスン電子製「ISOCELL GN9」センサーを採用した光学式手ブレ補正付き5000万画素カメラ。GN9センサーについて黒住氏は「同じサイズの他のセンサーと比べて、かなり多くの情報量を取り込むことができる。暗いところでもきれいに撮れて、細部まで鮮明に表現できる。非常に優れたセンサー」と高く評価している。
センサー自体はPhone (2a)と同じものだという。しかし、今回はサムスンとともに「ディープラーニングを使って、かなりの書き込みを加えた」センサーになっている。
「シーン別にいろいろな撮影パターンを、われわれとサムスン側で蓄積して書き込んだ。正式なプロダクト名はGN9DLと「DL」が付いていて、そのバージョンはわれわれだけが使う」(黒住氏)
最もアップグレードしたのは5000万画素の望遠カメラだという。望遠レンズ自体の性能としては2倍で、ロスレスで4倍になる。光学とデジタルのズームを合わせて最大30倍のウルトラズームが可能だ。このウルトラズームについて、「もっと高倍率にできるが、そうするとロスが出るので、最大30倍で調整した。これは妥協しないためのわれわれとしての判断」と語っている。ちなみに、黒住氏のお勧めは2倍で撮る人物のポートレート写真だ。
超広角については、従来と同じソニー製センサーの800万画素カメラ。インカメラは3200万画素だ。
Nothingが「TrueLens」エンジンと呼ぶコンピュテーショナルフォトグラフィのエンジンは3世代目。GoogleとNothingの技術を組み合わせて実現しているUltra HDRも搭載している。有効にすると、かなりはっきりした映像になるので、黒住氏は好みに応じてオン/オフすることを提案していた。
カメラのUXは、Nothing OS 3.0で新しいUXに変わっている。初期のUXは非常にシンプルで、他社スマホでは使える機能も使えない場合があったが、今回は「シンプルさを残しながらもいろいろな機能が使えるようになった」。例えば、カメラモードのときにシャッターボタンを長押しすると、ビデオ撮影あるいはバーストモードになる(設定で選べる)。ズームのインジケーターも簡単に出せるようになった。
また、「プリセット」と呼ばれるカメラの設定がデフォルトで4種類(Soft Focus、B&W Film、Wide Angle、Lenticular)用意される。自分でよく使う設定を追加することも可能だ。
Nothing OS 3.0では独自のアルバム機能も追加された。今はシンプルな機能だが、今後はいろいろな連携が予定されているという。
Phone (3a)には、電源キーの下にもう1つ、「Essential Key」というキーがある。気になるコンテンツを見つけたときや、アイデアが浮かんだときにEssential Keyを押すと、端末内のEssential Spaceに情報が保存される。情報は自動的に整理され、提案、要約、アクションプランを生成するという。
Essential Spaceについては、保存したデータをどう引き継ぐかもまだ決まっておらず、「いわゆるβ版、コミュニティーエディションという形」で搭載される。ユーザーの声を聞きながら育てていくという
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