Nothing Technologyが3月4日、最新スマートフォン「Nothing Phone(3a)」シリーズを発表した。オンラインで発表され、リアルの発表会は開催されなかったが、世界最大級のモバイル展示会「MWC 2025」が開催されているスペイン・バルセロナで、いち早く実機に触れることができた。率直なインプレッションをお届けしよう。
Nothing Phone(3a)シリーズが最初にお披露目されたのは、MWC 2025が開幕した3月3日の11時(日本時間は3月3日19時)。MWC会場内のQualcommブースで外観が公開された。
MWCは、日本でいえば幕張メッセやパシフィコ横浜のような広い会場に世界中のモバイル機器のメーカー、サプライヤー、ベンダー、通信キャリア、サービスプロバイダーなどが集まって開催される。Qualcommのブースは比較的目立つ場所にあり、なおかつ広い。そこに、大きな布で隠された展示ケースが設置され、11時ちょうどに布が外された。MWCの一般来場者からも注目を集めていたようだ。
事前にティーザー映像で公開されていた通り、Nothing Phone(3a)とNothing Phone(3a) Proの2台を公開。サイズは同等だが、背面デザインは異なる。ここでは、ショーケースでの展示のみで、実機に触れることはできなかった。ちなみに、Nothing Phone(3a)は白で、Nothing Phone(3a) Proはグレーで、ここではカラバリは発表されなかった。
発表イベントにはNothingの共同創業者のAkis Evangelidis氏とQualcommのChristoper Patrick氏が登壇。さらに、進行役としてLucy Hedges氏が登場した。後で調べたところ、彼女はBBCのTV番組のパーソナリティーで、ガジェットに詳しいことでも有名な人らしい。
Qualcommブースで公開されたのは、Nothing Phone(3a)シリーズがQualcommの「Snapdragon 7s Gen 3」を採用しているため。同チップのパフォーマンスの高さやAIやゲームにも強いことが語られていた。
そのイベントの翌日、3月4日の11時に、YouTubeのNothingアカウントでNothing Phone(3a)シリーズは正式に公開され、詳しい仕様が明らかになった。
発表日の夜には、バルセロナ市内の雰囲気のよいレストランでメディアを招いて、ローンチパーティーを開催された。そこには、Nothing Phone(3a)シリーズの実機が置かれており、実際に触れたり、撮影したりすることができた。説明員が付くわけではなく、お酒を飲みながら、自由に楽しんで! といった雰囲気だった。筆者は2024年もバロセロナでNothingのパーティーに参加したが、当時よりも規模が大きくなっていた。
パーティーにはNothing Phone(3a)シリーズの全色が展示されると聞いていたが、確認できたのは、Phone(3a)のブラック、ホワイト、ブルーと、Phone(3a) Proのブラック。前日にQualcommブースで見たPhone(3a) Proのグレーは確認できなかったが、どこかにはあったのかもしれない。ともあれ、最も注目されていたのは新色のブルー。これまでにありそうでなかった、落ち着きのある青だ。
両モデルの仕様は共通する部分が多く、ディスプレイはどちらも約6.77型の有機EL。手にしたときのサイズ感は前モデルのPhone(2a)や、その上位モデルのPhone(2)と同等。iPhone 16、Google Pixel 9あたりを使っている人が持つと大きく感じるだろう。
右に電源キー、左に音量キー、底部にUSB Type-Cポート、SIMスロットというインタフェースは従来モデルと同じ。そして、Phone(3a) シリーズの大きな特徴となりそうなのが、電源キーの下に追加された「Essentialキー」だ。
実際に操作してみたところ、軽く押しても反応せず、長押しするとボイスメモが起動した。2回続けて押すと「Essential Space」という新しいアプリが起動。Essential Spaceを起動している状態で1回押すとスクリーンショットが撮れた。短い時間での動作確認だったので、いまひとつ利便性はつかめなかったのだが、Essential Spaceは自分が必要とする情報を記録し、管理するアプリで、パーソナルAIアシスタント的に利用できるようだ。機能のアップデートやカスタマイズ性の向上にも期待できそうだ。
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