質疑応答では、料金プランの値上げに関する発言があった。
日本の携帯電話市場を見ると、政府の意向をくみ取る形で2021年頃から、大手キャリアはサブブランドを相次いで投入したことなどにより、ARPU(1利用者あたり平均収入)が減少したが、2023年頃から決済サービスとの連動によりポイント還元を手厚くした料金プランがヒットしたことなどを背景にARPUは上昇した。
一方、2024年頃から決算会見の場で、キャリアトップによる値上げを示唆するような発言が目立つようになった。例えば、ソフトバンクの代表取締役社長の宮川潤一氏は、2月10日の決算説明会で「常に値下げの先の一辺倒の議論だけでは、(従業員さんの給料などを支える)構造にならない」などと話していた。
松田氏は、「日本の通信品質は世界を見てもかなり高いし、料金も先進国の中では低廉な水準になってきている。各社が切磋琢磨して通信品質に磨きをかけている」としつつも、「われわれ(KDDI)でいえば、建設会社や販売代理店のパートナーの労務費、基地局の電気代が上がってきているのも事実」と述べた。
値上げの示唆につながる発言はなかったが、松田氏は「お客さんによりいいものをお届けしながら、その対価としてどのようなものをいただけるのか――この循環の中で新しいサービスとなるのも、提供開始に至ったau Starlink Directだ」との持論を示した。
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