会見の中盤以降、松田氏は自身の好きな言葉に「準備万端」「先手必勝」を挙げ、未来を見据えて備える姿勢、そして一歩先を行く意志が、今のKDDIを形成している、との考えを述べた。テクノロジーへの情熱を社員にも広げ、「夢中になれる」仲間が集まる会社づくりが、進化の原動力であるとも。
松田氏は、未来の社会に向け、KDDIとして3つの目標を掲げていることも説明した。
1つ目は「未来をつくる仲間とつながる」ことで、社内(内製化)にこだわらず外部のパートナーと力を合わせて新たな挑戦を加速していくとしている。本社移転先となった「TAKANAWA GATEWAY CITY」も、パートナーなどとの新たな交流やイノベーションを重視してのことだという。
2つ目は「つなぐ力を世界に広める」という視点から、日本の技術を起点に世界の社会課題解決へ貢献しようという姿勢。「AIやディープテック分野における日本起点のスタートアップをより成長させるべく、複数の海外ベンチャーファンドに300億円規模の出資を行う予定で、日本のスタートアップと共に世界へ出る挑戦を行っていく」としている。
そして3つ目は「生活を支える会社から、人生を支える会社へと成長する」というビジョンのもと、地域に根ざした新しい形の社会貢献にも挑戦していくことを掲げる。「auショップのない場所へKDDIが出向く営業ショップカー(au SHOP CAR)やローソンとのパートナーシップから生まれる新しいコンビニ」が社会貢献に当たる。これらは「地域の見守りや防災の拠点、新しい移動のための拠点、ラストワンマイルをつなぐ配送拠点」にもなり、新しい形の地域貢献や地域活性につながるという。
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