UIの刷新で注目を集めたiOS 26だが、Apple IntelligenceをよりOSの各機能に浸透させていったのも、注目のトピックの1つだ。2025年4月に日本語対応したばかりのApple Intelligenceだが、iOS 26では電話やメッセージに機能が拡大する。電話は、スクリーニング機能に対応。登録していない電話番号から電話がかかってきた際に、AIがいったんそれを受け、相手が名乗った際に着信音を鳴らして応答するかどうかを判断できるようになる。
AIが保留の状態を判断して、iPhoneから離れることができる機能にも対応する。コールセンターなどに電話し、保留状態で待たされている際に、常にiPhoneを耳に当てておく必要がなくなり便利だ。ライブ翻訳にも対応し、電話アプリやFaceTimeで通話した際にお互いが話す言語を翻訳することが可能になる。iPhone側が処理を行うため、相手の端末は問わない。
メッセージでは、やりとりされている中身をAIが判断し、それに合った機能を提案。スマホとしてのベーシックな機能が、AIによって底上げしている。また、ビジュアルインテリジェンスは、画面内の検索に対応。SNSで表示した写真から同じものを売るサイトを検索したり、ChatGPTにそれが何であるかを解説してもらったりといったことが可能になる。ジェン文字には、複数の絵文字を組み合わせたり、ChatGPTに描画を依頼したりする機能が追加される。
Apple Intelligenceを幅広く標準アプリに広げていくAppleだが、これらが目新しい機能かというと、必ずしもそうではない。電話のスクリーニングや保留の判断などは、GoogleのPixelシリーズが売りにしてきた機能。Androidスマホ全体で使えるわけではないが、新味に欠けるのも事実だ。ビジュアルインテリジェンスも、Androidの「かこって検索」の後追いに見えるし、音声通話の翻訳も、1年以上前から「Galaxy AI」に実装されていた。
また、1年前のWWDCで予告されていたSiriの機能向上は、今回も搭載が見送られている。Siriのアップデートは、iPhoneに蓄積したユーザーのデータを参照して、よりパーソナライズされた回答を返すようになるというもの。これにより、アプリ間連携も可能になる予定だった。単に調べたいことを回答するだけでなく、よりエージェント的にふまえるようになるはずだった。
一方で、AppleはSiriのアップデートを延期しており、現時点でもApple Intelligenceに同機能は搭載されていない。WWDCの基調講演では、ソフトウェアエンジニアリング担当シニアバイスプレジデントのクレイグ・フェデリギ氏が「Appleの高い品質基準を満たすには、時間が必要だった。詳細は今後1年でお知らせできる」と語っており、導入が延期されていることを認めた。当初の想定よりも、開発が難航していることがうかがえる。
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