iOSが18から19ではなく一気に「26」へ飛んだ2つの理由

» 2025年06月10日 12時51分 公開
[金子麟太郎ITmedia]

 Appleが6月9日(現地時間)に発表した「iOS 26」では、全体のデザインが大きく変わった。iOSが大規模なデザイン刷新を果たしたのは、2013年に発表・リリースされた「iOS 7」以来のことだ。特に注目すべきは新要素「Liquid Glass(リキッド・グラス)」だ。

 Liquid Glassは、ガラスのような透明感をアイコンやウィジェットなどに適用し、色はコンテンツに合わせて変化する。ダークモードにも対応する。

iOS26 Apple ガラスのような透明感をアイコンやウィジェットなどに適用したLiquid Glass。例えば、ロック画面の時計をタップすると、シーンに自然に溶け込むように、各数字の太さ、幅、高さがダイナミックに拡大縮小する
iOS26 Apple 開発者はIcon Composer(Mac)を使って、プラットフォーム全体で、ライト、ダーク、色合い調整、またはクリアな見た目で美しく描画されるLiquid Glassアイコンを作成できる

 この他にも、電話アプリに新機能として「通話スクリーニング(Call Screening)」が実装され、知らない番号からの着信に対しAIが自動応答するなど、AI関連のアップデートもiOSの大きな見どころとなっている。

 一方で、気になるのがiOSの語尾にある数字だ。1つ前の世代は2024年9月17日に提供が始まったiOS 18だ。順当に進めば2025年は19になるはずだが、なぜ一気に飛んで26になったのだろうか。その大きな要因は、オペレーティングシステムの異なるバージョンを統一することにある。iOSはバージョン18、watchOSはバージョン12、visionOSはバージョン2というようにバラバラになっていると、ユーザーにとって分かりやすいとはいえない。そこでAppleはOSバージョンの統一を図った。

 Appleは各製品全てでiOS 26、iPadOS 26、macOS Tahoe 26、watchOS 26、tvOS 26というようにOS語尾のバージョンを示す数字を26に統一した。

iOS26 Apple AppleはOSバージョンの統一を図った。各製品全てで最新バージョンが26となった

 Appleのヒューマンインターフェイスデザイン担当バイスプレジデントであるアラン・ダイ氏はニュースリリースで、以下の通り述べている。

 Appleでは、ハードウェアとソフトウェアを緊密に統合することで、テクノロジーの利用を直感的で、美しく、楽しいものにすることの大切さを常に信じてきました。今回のソフトウェアデザインのアップデートは、これまでで最も広範囲に及ぶものです。Appleのソフトウェアを構成する基本的な要素を再考し、細部までこだわって作り上げた新しいデザインは、Liquid Glassと呼ばれるまったく新しい素材を採用しています。これはガラスの光学的特性とAppleにしか実現できない流動性を組み合わせ、コンテンツやコンテキストに応じて変化します。これは将来の新しい体験を生み出す基礎を築き、究極的には、最もシンプルな操作をもっと楽しく魔法のようなものにします。


iOS26 Apple Appleのヒューマンインターフェイスデザイン担当バイスプレジデントであるアラン・ダイ氏は、ニュースリリースでOSバージョンの統一を図った理由を述べている

 もう1つ気になるのがOSバージョンが一気に26へ飛んだことだ。この理由について直接的な言及はないが、年度の下2桁を意味すると考えれば、合点がいく。発表年が2025年であるため、2026年ではなく25とするのが自然ともいえるが、なぜだろうか。

 米国の企業では10月1日から翌年9月30日までを1会計年度とすることが多く、これに倣えば、iOSのバージョン番号が2026年の「26」となるのが自然といえる。実際、AppleはiOS 26について「今年の秋に、無料のソフトウェアアップデートとしてiPhone 11以降を対象に利用可能になる」とアナウンスしていることからも、こうした意図がうかがえる。

 ちなみに、Samsung Electronicsもフラグシップのスマートフォン「Galaxy S」シリーズで2020年以降はシリーズ語尾にリリース年度の下2桁を付加している。例えば、2020年に発売したGalaxyは「Galaxy S20」シリーズ、翌2021年発売のGalaxyは「Galaxy S21」シリーズというように、年度とともに世代の数字が上がっていく。

 この命名規則がAppleにも似たような形で派生したようだが、次期iPhoneにまで広がるかは不明だ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2025年06月23日 更新
  1. ドコモ新料金プランは何が変わった? 「ドコモ MAX」と「eximo」を比較、値上げ以上の価値が受け入れられるか (2025年04月25日)
  2. ドコモの「irumo」わずか2年で新規終了の理由 0.5GBプラン廃止の影響は少ない? (2025年04月24日)
  3. 「Switch 2が普通に買えた」が、買えない人っている? 販売店が示す2つの注意点 (2025年06月21日)
  4. ドコモの大容量プランはどれがお得? 「ドコモ MAX」「eximo」「ahamo大盛り」を比較してみた (2025年06月03日)
  5. ドコモ新料金の反響は「計画通り」、既存プラン値上げは「考えていない」 前田社長が語る“指名買い”戦略 (2025年06月23日)
  6. 「Switch 2」の譲渡はルール違反? それともセーフ? 任天堂の抽選販売で“やってはいけないこと” (2025年06月18日)
  7. 「コストコで『Switch 2』が販売されている」──は本当かうそか? Xで話題【追記】 (2025年06月20日)
  8. コミュニケーション系機能が強化されるiOS 26――RCS導入も「Androidは仲間はずれ」は続くのか (2025年06月22日)
  9. 「Nintendo Switch 2」を“携帯ゲーム機”として徹底レビュー 使い勝手が飛躍的に向上したと感じた理由 (2025年06月23日)
  10. ドコモの新料金プラン、78%が「魅力的ではない」と回答 「irumo残して」「抱き合わせはやめて」 (2025年06月05日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー