三井住友カードは2024年7月に、マネーフォワードと個人向け事業における資本業提携を締結した。マネーフォワードが提供するお金の見える化サービス「マネーフォワード ME」は、銀行やクレジットカード、証券、ポイントなど、2430以上の金融関連サービスを連携して、あらゆる家計や資産を管理することができる。この機能と、Oliveの金融機能を掛け合わせることで、「お客さま起点のオープンなお金のプラットフォーム」を創出。これまでにない革新的な顧客体験を提供する予定だ。
「今までのOliveは当社のサービスのみでしたが、マネーフォワードと組むことで、他社を含むいろいろな口座情報や証券情報をOliveで確認できるようになります。お金を移動させることもできるので、例えば、みずほ銀行口座から三井住友銀行口座に資金移動するといったことを、ドラッグ&ドロップなどの直感的な操作で実現できる機能を検討しています。他の口座を含む全ての作業がOliveアプリだけで完結できるのがベストだと思っているので、これまでにない革新的な顧客体験を目指しています」
振込や送金など、さまざまな操作がアプリでできれば店舗業務が基本的には少なくなってくるので、店舗の在り方が変わってくる。SMBCでは既存の銀行店舗を、銀行とスターバックス、シェアラウンジが一体となった新しいタイプの店舗「Olive LOUNGE」としてオープン。現在、首都圏と関西に店舗を拡大している。
「Olive LOUNGEでは、Olive会員なら専用席に座れたり、スタバのコーヒーが10%ポイント還元されたりといった、会員メリットを感じてもらう場所になっています。休憩がてら来てもらって、そういえばアプリの使い方で分からないところがあるといったときに、行員が教えることもできます。Olive自体はデジタルバンクですが、こうやって気軽に銀行と触れ合える場所もあるので、若い人だけでなく全世代にとって良いサービスだと思っています」
このOlive LOUNGE は、2026年春に提供を予定する「Olive Infinite」サービスでも活用される予定だ。最高ランクのプレミアムサービスとして、デジタルとリアルのコンサルティングサービスをフレキシブルに受けることができるのだが、Olive LOUNGEもその相談拠点として想定されている。
SMBCグループでは、今後もOliveの柱である金融サービスをより便利に使うための非金融サービスを拡充していきたい考えだ。なおパートナーについてはソフトバンク、SBIなど、これまで提携しているところやグループ企業を問わず、顧客にとってベストな選択をしていくとのこと。激化するキャッシュレス競争をどのように駆け抜けていくのか、今後の動きにも注目だ。
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