TP01-10-30Wは、1万mAh容量で、最大30WのPD出力に対応したUSB Type-C端子と、最大22.5W出力に対応したUSB Standard-A端子を備えるモバイルバッテリーだ。なお、USB Type-C端子は、最大20.07W入力にも対応している。
価格は、1万mAhモバイルバッテリーとしては高めの9980円(税込み)だ。なぜ強気の価格設定なのかというと、同型機種同士で、定型メッセージのやりとりを行うというユニークな機能を備えているからだ。
バッテリーの状態とメッセージは、フロントの大きめLCDディスプレイに表示される。裏を返してみたところ、あるはずのものがない。そう、技適マークだ。
ITmedia Mobile読者なら認識されていると思うが、現在、国内において電波を発して通信可能な製品には技適マークが必要である。技適未取得機器を用いた実験等の特例制度の担当者によれば、「微弱な電波であれば不要だが、10mほどの飛距離があると微弱とは言い難い」との回答も得た。
残念なことに、当該製品には電波の種類も、周波数も、シリアル番号のようなものもない。これでは特例制度の申請も行えない。
ときおり、技適を取得したものの、印刷が間に合わなかった、という場合もあるので技適を取得しているかどうかをメーカーにたずねたところ、「PSE認証を取得済みです」という回答が届いた。再度、文章を変えて同様の内容で問い合わせたが、10日経過した現在も回答を得られていない。「技術基準適合証明等を受けた機器の検索」でメーカー名や製品の型番を使って検索してもヒットしないので、まあ、そういうことなのだろう。
さて、Amazon.co.jpでは、国内で使えない「技適未取得製品」を取り扱わないという建前になっている。そのため、購入した電波通信を行う製品に技適マークがない場合、開封済みであっても返品が可能だ。
購入履歴ページを見ると、製品ごとに「商品の返品」というボタンがあるのが分かる。スマートフォンの「Amazon」アプリでは、購入した製品をタップすると「商品の返品」メニューが現れる。PCまたはスマートフォンで「商品の返品」を選んで作業を開始する。
最初の難関は「回答を選択してください」の箇所だ。「技適を取得していなかった」という選択肢はない。今回は「性能や品質が良くない」を選んだ。取得すべき認証を取っていなかったので、製品に問題があると考えたからだ。
すると、どのように「良くない」のかを説明するコメント欄が出現する。本製品が技適未取得品であることを強調した内容を記載した。
後は、返金方法を選び、「返送手続きを開始」するだけで、オンライン上での作業は完了する。返金の詳細に、購入金額のうちの全額が表示されていればOKだ。開封済み商品を、顧客都合で返品処理すると、半分に減額されてしまうこともあるので注意したい。
そして、ラベルなど必要なものを印刷して梱包、配送業者へ持ち込もう。
あとは約1週間で返金処理が完了するのを待つだけだ。
PSEマークは、電気用品安全法で定められた適合検査をパスした製品に与えられるものだ。マークがない場合、発火や爆発といった事故の危険性が高まることもあり、そのような製品を事業者は販売できない。
しかし、技適未取得製品の場合では、販売した事業者ではなく、利用者が罰せられてしまう。事故でケガをすることはなさそうだが、PSEマーク未付与製品であれ技適未取得製品であれ、持っていて良いことはない。Amazon.co.jpで買ってはみたものの、それらのマークが印刷されていないのであれば、すぐさま返品するのが吉だ。
もっとも、簡単に返品できるとはいえ、やはり手間がかかるので、国内で使うための検査をパスしているかどうか不安であれば、購入前にメーカーに問い合わせるのが良いだろう。万が一にも、虚偽の回答をしてきた場合でも、Amazon.co.jpに「出品者を評価」欄で報告すれば真摯に対応してくれる。
後日談がある。2台の返品を申し出て梱包(こんぽう)作業をしていたところ、問題のある2製品は商品ページから取り下げられていた。他の色は販売されていたものの、「Amazon.co.jpよ、君は仕事が早いねぇ」と、心の中で、そっとほめるのであった。もちろん、全額返金も行われていたし、返送にかかった費用の1台あたり最大である500円も返金先に指定していたアマゾンギフトカードに登録されていた。
購入する前に、その製品が法令順守したものであるかを調べるのが最善であるが、万が一、のっとっていないものを購入してしまったとしても、返品・返金対応してくれるので安心して買い物ができる。
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