フィルラボの利便性を支えるのが、クラウドを活用した管理システムだ。クラウド管理によってフィルムの在庫数や補充が必要な情報などを把握できると菊池氏は説明するが、通信手段が遮断された場合、システムが稼働しなくなる恐れがある。
「フィルラボでは、クラウド管理に必要なSIMを採用しています。通信障害が起きれば、一時的に使えなくはなります。フィルムの貼り付け自体はできるのですが、機械の画面自体がWindowsになっており、中のシステムもSIMやWi-Fiにつながっていないと動きません。そのため、通信障害があると動かないようになっています」(菊池氏)
クラウド管理をあえて採用したのは、「仕上がりに不備がある」などの万が一のトラブルの際にも、サポートすることを目的にしているのだという。
「フィルラボでは、フィルムを貼り付けたときに空気が入ってしまった場合、お客さまから『想定していたものとは異なる仕上がりになってしまいました……』というようなご連絡をいただけるようサポート窓口を用意しています。お客さまがサポートに連絡をした後、仕上がりを双方で確認します」
「これも少し内部的なものになるのですが、そのやりとりに必要な証拠を撮影するために、機械内部のカメラで実際にスマートフォンを投入した際と、フィルムを貼り付けた後の画像を撮影します。その画像を通信を介してクラウドにアップロードすることで、当社が注文状況や画像を確認できる仕組みです」
「お客さまがどの店舗で、何のフィルムを貼り付けたのかという情報をヒアリングし、リアルタイムで上がってきているクラウドの情報とマッチしているかを確認して、空気が入っているものに関しては、しっかりと返金対応をさせていただいています」
このように、フィルラボは、保護フィルム貼付における長年の悩みを解消する、非常に画期的なソリューションであることは間違いない。特に、これまでフィルム貼付に失敗し続けてきた人や、手間をかけずに完璧な仕上がりを求める人は、2980円という価格を払ってでも試したいはずだ。
一方で、対応機種の限定性や決済方法に制約があることに加え、設置台数は少ない。この点についても菊池氏に聞いたところ、決済方法については「今後拡大していく予定」と回答。設置場所についても、今後は家電量販店などでの導入に期待できそうなコメントだった。台数については「2025年内に16台から80台まで増やす」と意気込み、「年度内では100台が現実的な数字だと思います」と付け加えた。
今後、対応機種の拡大や設置場所の増加、決済方法の多様化が進めば、さらに多くのユーザーにその利便性が届けられる可能性を秘めているといえるだろう。「Google PixelやGalaxyも検討の視野に入れている」とのことなので今後に期待したい。スマートフォンを大切に使い続けたいと願うユーザーにとって、フィルラボは大きな一助になってくれるだろう。
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