コンシューマー向けのConnectINとしてpovoを活用するアイデアは、サービス導入当初から構想として語られていた。今回導入されたConnectIN povoは、その具体像になる。コンシューマー向けのPC用料金プランがなく、メイン回線にひも付ける形でしか提供していないキャリアもある中、ConnectIN povoは単独で使えて、かつ料金もPCの端末に含まれているため使い勝手がいい。
一方で、法人向けのConnectINと比べると、どうしてもスペック的に見劣りする面があることは否めない。制限なく使える法人向けに対し、コンシューマー向けは毎月平均5GBしかなく、常用するには物足りないデータ容量だ。家庭に引いた固定回線や、ギガぞうWi-Fiとの併用を前提にしているため、出張先で思う存分データ通信するといったことは(無料だと)できない。
また、eSIM対応が必須ということもあり、PCのラインアップがかなり限定されている。日本HPがConnectIN povo対応デバイスとして販売するのは、「HP EliteBook X G1i 14 AI PC」「HP EliteBook 8 G1a 13」「HP ProBook 4 G1a 14」の3機種で、いずれも法人用PCとして展開しているモデル。法人向けのConnectINに対応したシリーズを、丸々コンシューマー向けに流用した形だ。
コンシューマー向けに展開するOmniBookシリーズや、価格重視のHPシリーズは、いずれもConnectIN povo対応モデルには含まれていない。そのため、販売価格も高止まりしている現状がある。例えば、最上位モデルの「HP EliteBook X G1i 14 AI PC」は、価格が57万3650円にも及ぶ。同じ5G対応のHP EliteBookでも、法人向けのConnectIN対応機種は割引がついて31万2620円で販売されており、コンシューマー向けはかなり割高感がある。
最も安い「HP ProBook 4 G1a 14」でも、価格は33万1650円。コンシューマー向けPCのボリュームゾーンともいえる10万円台を大きく超えている。通信が無料なのはいいが、それを利用するためのPCを入手するハードルが著しく高いのは残念だ。データ容量はもちろん、端末のラインアップにも制約があり、コンシューマーに普及する道のりは険しいといえる。
コンシューマー向けのOmniBookやHPシリーズは、ConnectIN povoに非対応。価格的にリーズナブルで、デザイン性も高いPCが多いだけに、こうしたモデルで対応できるかどうかが今後の鍵になりそうだKDDIの相原氏は、「これをスタート地点に、世界を目指していきたい」と語っていたが、そのためにはラインアップの拡大が急務だ。5年間、300GBという年数やデータ容量も、ターゲット層や機種によって柔軟に変えていった方がいいだろう。また、現状では手動で契約するのに近く、セットアップされてすぐに使えるというような状態になっていない。アプリを開発するなどして、使い勝手にも磨きをかけていく必要がありそうだ。
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