KDDIはJR東日本やローソンといったパートナーと共に高輪ゲートウェイシティにおいて未来都市に向けた実験を行う。
高輪に訪れた人に対しては「ハイパー・パーソナル体験」、高輪で働く人には「ハイパー・パフォーマンス体験」を提供するという。
この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2025年7月26日に配信されたものです。メールマガジン購読(税込み月額550円)の申し込みはこちらから。
カメラや改札へのSuicaをタッチしたデータなどを元にデータを収集。デジタルツインプラットフォーム上で活用していく。
例えば、高輪ゲートウェイ駅で改札を出ると、その人の趣味嗜好に合わせて、タイムリーな情報を届け、さらにAIで分析した属性情報や好みに合わせて、ロボットが商品を配送してくれるようになる。
確かに、ベビーカーで子供を連れて街を歩いているときなどは「エレベーターで行ける導線」がわかったら、どんなに便利だろうかと痛感したことはある。ベビーカーだとエスカレーターも避けなくてはならない。目的の店舗までどのルートを行けば、エレベーターでの最短ルートがわかるとありがたかったりする。また「子供を寝かしておけるソファー席や座敷があるレストランはどこか」なんて情報が、改札を通ってすぐに通知されたら、そりゃ便利だろう。
子供連れだけでなく、そうしたニーズをくみ取って、通知が降ってくるレベルになれば、まさに未来都市のあるべき姿ではないか。
個人的に、この手の実験に求めるのは「それって参加すると面白いのか」という視点だ。仮に通知がスマホに何通も飛んできた場合、大して面白くないタイトルだと、単なる迷惑メッセージと変わりなかったりする。
タイトル自体も、ウェブ記事の見出しのように目を引き、思わずクリックしたくなるような凝った見出しにするべきだろう。それこそ、編集者経験者がタイトルをつけるぐらい、こだわって通知やコンテンツを考えるぐらいでなければ、通知なんて開いてもらえない。
こうした実験だからこそ「メディアとしての面白さ」も追求して、ユーザーに情報を発信していくべきだ。実験という言葉に甘えてはいけない。
記者会見の質疑応答では「実験というのだから、成功や失敗などの成果はいずれ発表、共有されたりするのか」ということを聞いた。
KDDIやJR東日本の構想は、壮大であるが、都市OSやモビリティ関連の事業者であれば誰しも考えている事だったりする。せっかく、ゼロから作り上げた高輪という贅沢な環境で実験をするのだから、成功と失敗事例はきちんと発表し「みんなが考えているアイデア、どう頑張ってもダメだった」という情報は共有した方が、世間のためになるような気がしている。
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