既報の通り、NTTドコモは2025年10月22日から、「ドコモ MAX」と「ドコモ ポイ活 MAX」の契約者に対して、NBAのコンテンツを追加料金なしで視聴可能にする。
2025年6月5日から提供しているドコモ MAXとドコモ ポイ活 MAXでは、従来の料金プランから値上げをする代わりに、さまざまなコンテンツや特典を組み込むことで、付加価値の提供を狙う。DAZN for docomo、Amazonプライム最大6カ月無料、国際ローミング30GBまで無料といった特典に、NBAコンテンツの視聴が加わった形だ。
NTTドコモの齋藤武副社長は、NBAコンテンツの提供を通じて、「バスケットボールファンの皆さまに、デジタルでもリアルでも最高の体験を提供していく。加えて、NBAのコンテンツとドコモのアセットを組み合わせることで、バスケットボール市場のさらなる盛り上げや、未来のNBAプレイヤーの育成に貢献していく」と意気込みを語る。
ドコモが提供するNBAの試合コンテンツには、レギュラーシーズン、カンファレンスファイナル、NBAオールスター、NBA 2Kサマーリーグ、NBAファイナルなどが含まれ、ドキュメンタリーなどのオリジナルコンテンツも配信する。さらに、ドコモ MAX限定の特典として、配信希望試合の投票、オリジナルグッズやチケットなどの先行購入、NBA現地観戦ツアーなどの応募も用意する。
齋藤氏によると、ドコモ MAXとドコモ ポイ活 MAXの契約数は、現時点で合計70万ほどで、2025年度末には300万契約ほどの規模感で推移しているという。齋藤氏は「既に多くのお客さまに好評いただいている」と話し、新料金プランが好調に伸びていることを示す。
NBAコンテンツは、ドコモ MAX/ドコモ ポイ活 MAXを契約しないドコモユーザーや、他キャリアのユーザーにも有料で提供する。料金は未定だが、ドコモと他キャリアのユーザーでは「料金分けたい」と齋藤氏は話し、ドコモユーザーの方を安くすることを示唆した。料金は9月に改めて発表する予定だが、「高くても数千円」ほどだという。
なお、NBAコンテンツは、AmazonもAmazonプライムビデオで配信することを発表しており、国内ではドコモの独占配信ではない。ドコモはレギュラーシーズンに加えて、プレーオフやファイナルなども配信するが、どこまでが独占かについては「9月に改めてご紹介する」(齋藤氏)とのこと。
今回のNBAコンテンツの追加は、スポーツ観戦に興味がある人にとってはうれしいアップデートだが、スポーツに興味のないユーザーにとっては食指が動かないだろう。齋藤氏は今後のさらなる進化として、スポーツだけでなく、音楽、映画、ドラマといったエンタメコンテンツの追加も検討していることを明かす。
一方、ドコモはエンタメサービスにおいて「爆アゲセレクション」という特典を提供しており、対象のエンタメサービスを利用すると、各サービスの月額料金から最大25%のdポイントを還元する。対象サービスには「Disney+」「Netflix」「Lemino」「Spotify Premium」「YouTube Premium」「dアニメストア」などが含まれる。ドコモ MAXで対象サービスを拡充するにあたり、この爆アゲセレクションとの兼ね合いはどうなっていくのか。
齋藤氏は「どこのパートナーと組んでMAXに加えるかについては何も決めていない。(NetflixやSpotifyなど)今挙がったところやそれ以外も含め、いろいろなパートナーを幅広く考えていきたい」と話す。
爆アゲセレクションとの関係については「MAXの中にどう組み込んでいくかは、いろいろな考え方がある。MAXの中に全て入れるか、外付けで安く提供することもあると思う。パートナーさんと話をしながら、提供形態についても考えていきたい」とした。
その際に気になるのが、コンテンツを拡充しても月額料金を維持できるのかという点だ。今回のNBAコンテンツ追加後も月額料金は据え置きだが、今後について齋藤氏は「入ってくる新しいコンテンツの内容によって、全部据え置きのまま取り込める場合や、オプション的な形で提供する場合もある。プラン全体の値上げもあるかもしれないが、なるべく値段は据え置いたままにしたい」と話す。
携帯キャリアがコンテンツをバンドルする動きが、2025年に入って強まっている。KDDIは以前から、au向けにNetflixやAmazonプライムなどをバンドルしたプランを提供しているが、ドコモがここに追随。楽天モバイルも、2025年10月からU-NEXTをセットにした「Rakuten最強U-NEXT」を提供する予定だ。ドコモ MAXの特典は、現在はスポーツに偏重しているが、その他のエンタメ領域をどう取り込んでいくかに注目が集まる。
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