デザインだけではなく、Phone (3)はフラグシップスマートフォンと呼ぶにふさわしい機能やスペックも備えている。
スマホの差別化でトレンドになりつつあるAIでは、「第2の記憶のように動く」ことを目指し、「Essential Space」を搭載。先んじて採用していた「Nothing Phone (3a)」や「CMF Phone 2 Pro」ではβ版という位置付けだったが、Phone (3)では正式版にアップグレードした。
Essential Spaceでは、音声メモ、スクリーンショット、カメラ画像などを保存し、コンテンツをスムーズに検索したり、コンテンツ内容から次の行動を提案したりしてくれる。いわば、「第2の記憶のように動く」(黒住氏)ことを目指した機能だ。既に5人に1人がEssential Spaceを利用しているという。
Phone (3)では新機能として、本体を裏返してEssential Keyを長押しするだけでボイスレコーダーが起動して要約まで行ってくれる。この機能を「Flip to Record」と呼ぶ。ボイスレコーダーの起動中は、Glyphマトリックスに録音の様子がアニメーションで表示され、背面に赤いランプが点滅する。Essentialサーチでは、ホーム画面を下から上にスワイプすることで、連絡先、写真、ファイルなどを検索できる。
こうしたEssentialを冠する機能群は、「将来への礎となる重要な機能」と位置付けており、「ユーザーはより自由に創造・つなり・探求することができる」(Nothing)とする。また黒住氏によると、Essential機能は「段階的にアップデートしていく」とのことだ。
ディスプレイは6.67型の有機ELを備えており、ピーク輝度はHDRモードで最大4500ニトを確保。黒住氏は「Nothing史上、最も鮮やかで明るいディスプレイ」だと胸を張る。4辺のベゼルを1.87mmと均一に抑え、92.89%の画面占有率を実現。Phone (2)から18%スリムになった。
プロセッサにはSnapdragon 8s Gen 4を搭載しており、「Snapdragonが持つAIの能力、ISPをフルに活用している」と黒住氏。Phone (2)比でCPUは36%、GPUは88%性能が向上したという。
最上位チップのSnapdragon 8 Eliteを採用しなかったのは、ユーザー体験と価格のバランスを見たため。「8 Eliteを載せたときに、どこまで体験が引き上がるのかを考えると、そこまでは関係ないのかなと。PCのように使うのなら別だが、われわれが想定している3年ほどの利用であれば、十分以上のパフォーマンスを出せる」と黒住氏は太鼓判を押す。
カメラは背面の広角、超広角、望遠と、インカメラ全てに5000万画素を搭載。広角カメラには1/1.3型の大きなセンサーを積んでおり、暗所での撮影性能が向上した。望遠カメラにはペリスコープレンズを取り入れ、最大約3倍の光学ズーム、最大約6倍のロスレスズーム、最大約60倍のデジタルズームが可能になった。
IP68の防塵(じん)・防水やおサイフケータイ(FeliCa)、eSIMにも対応する。OSはAndroid 15をプリインストールするが、近日中にAndroid 16へのアップデートを予定している。
Nothingにとってのフラグシップスマートフォンとは、どんな存在なのか。黒住氏は「Nothingが向かう方向性をクリアにするプロダクト」「自分たちがやりたいことを体現したもの」だと話す。今回のPhone (3)でいうと、「美しさ、アイデンティティー、個性を持たせ、使うことでユーザーがクリエイティブになれる」ことを目指した。
個性だけならPhone (3a)やCMF Phone 2 Proなども満たしているが、一段上のディスプレイやプロセッサ、カメラを搭載することで、Nothingが目指すクリエイティブな使い方ができるという考えなのだろう。
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