野球の国際大会であるWBC(ワールドベースボールクラシック)の2026年大会を、Netflixが独占配信することを8月26日に発表した。Netflixが、WBCを運営するWBCI(WORLD BASEBALL CLASSIC INC.)との独占契約によって決定した。
日本のNetflixユーザーは、2026年に開催されるWBCの全47試合を、ライブまたはオンデマンドで視聴できる。WBCの視聴はNetflixの全プランと、スマートテレビを含むあらゆるデバイスが対応する。WBCのさらなる盛り上がりとして、NetflixとWBCIは、「ファンとともに最もスリリングな瞬間を分かち合える視聴体験」を特別に用意するという。
2023年に開催された前回大会は、映像配信サービスではAmazon Prime VideoでWBCの試合を視聴できたが、地上波やBSでも放送されており、テレビでも視聴することはできた。しかし2026年のWBCを視聴するには、Netflixを契約する必要がある。
Netflixでは2025年8月時点で、月額890円の「広告つきスタンダード」、月額1590円の「スタンダード」、月額2290円の「プレミアム」を提供している。WBCを視聴するには、最低でも月890円を支払う必要がある。
Netflixの独占配信について、Xでは批判が殺到している。Netflix公式アカウントが独占配信について発表したポストには、700件を超えるリプライがついているが、その大半が批判的な内容だ。「地上波でもやってほしい」「既に盛り下がっている」「高齢者の方は見られないし、契約できない人もいる」「WBC本来の野球の魅力を広めたいという意図と真逆を行っていて悲しい」「野球自体の衰退につながる」といった声が挙がっている。
また、Netflix公式アカウントの投稿には「続報をお楽しみに」と最後に添えており、これに対して、「無料配信ですね。ありがとうございます」「無料での配信をしてくださるってことですよね」「次の続報の楽しみは『地上波でも放映します!!』これしかないです」と期待する声も。また、そもそも「もちろん登録なしで無料で見られるんですよね?」と無料前提で考えている人や、「WBC期間中は無料にしてほしい」といった切実な要望もあった。
「たかだか890円、期間中だけでも払えばいいじゃないか」という意見もあるが、これまで無料で見られたコンテンツが有料化されるインパクトは大きい。しかも、テレビをつければ見られたものが見られなくなることで視聴機会が減り、WBCに触れる日本人が減ることを考えると、現状ではマイナス面が上回るといえそうだ。
今回の発表を受けて、読売新聞社が異例の声明を発表している。読売新聞社は、WBCIとともに、1次ラウンド東京プール計10試合の主催者として各試合の運営・興行を担当している。しかし今回、WBCIが読売新聞社を通さずに直接Netflixに対し、東京プールを含む全試合について、日本国内での放送・配信権を付与したという。
なお、NHKと民間放送各局は、報道目的での試合映像は放映できるので、試合のハイライトは従来通り視聴できるとのこと。
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