着実にレベルアップした「Xperia 1 VII」のカメラ 超広角/広角カメラが品質向上していい感じに荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(1/3 ページ)

» 2025年10月07日 11時00分 公開
[荻窪圭ITmedia]

 ソニーのフラグシップスマートフォン「Xperia 1」も、いつのまにか7代目。「Xperia 1 VII」は、今どきのフラグシップ機としては薄くてカメラユニット部分が主張しすぎないデザインなのが特徴だけど、中に入っているトリプルカメラはどれもソニーらしいハイレベルだ。

 Xperia 1シリーズというと当初、同社のミラーレス一眼「αシリーズ」を意識しすぎたのか、ちょっと肩に力が入っている感があった(何しろ、カメラアプリが2つも入っていたのだ)。でも世代を重ねると徐々にこなれてきて、先代の「Xperia 1 VI」でカメラアプリを一新して分かりやすくなり、今回は超広角/広角カメラがレベルアップした。

 もう1つ、Xperia 1 VIIでは同社の「VLOGCAM」で採用したユニークな動画機能も搭載している。気になるポイントを実際に撮りつつチェックしていこう。

Xperia 1 VII スリムなボディにトリプルカメラの「Xperia 1 VII」

一番の新機能「AIカメラワーク」「オートフレーミング」から試す

 Xperia 1 VIIのカメラにおいて一番の新機能はAIを使った動画機能なので、今回は最初にこれを試したい。これがなかなか斬新で面白くて実用的なのである。

縦方向の切り抜きも可能な「オートフレーミング」

 分かりやすい方から行こう。AIを使った「オートフレーミング」だ。

オートフレーミング オートフレーミングは、カメラアプリの「その他」の中にある

 この機能は、指定したメインの被写体がちゃんといい位置に納まるように、自動的にフレーミングして撮影してくれる。簡単にいえば4K(3840×2160ピクセル)で録った動画から、いい感じのフレームを切り出してフルHD(1920×1080ピクセル)の動画を出力してくれる機能だと考えると分かりやすい。

 しかも、フレーミングは縦方向にも対応している。

枠の大きさを指定 切り出す“枠”の大きさも指定できる。なお、どのサイズでも最終的に出力される動画はフルHDとなる
縦 縦方向のフレーミングも可能だ(ただし、この場合も長辺が1920ピクセルのフルHD動画として出力される)

 面白いのは、切り出す前の4K動画と切り出した後のオートフレーミング動画の両方を記録してくれること。だから「オートフレーミングに失敗した!」と思ったら、元の動画をベースに手作業で編集もできる。

 おかげで、具体的に何が起きてるかを説明しやすくなった。下の動画は元の動画(左)とオートフレーミングされた動画(右)を並べたものだが、元の動画を見れば分かる通り本体は“固定”されているのに、オートフレーミング動画はモデルが中心に来るように切り出してくれている。しかも、モデルが背中を向けてもしっかり追ってくれている。

 これ、より柔軟に縦位置動画を撮りたいときにすごくいい。人物以外でも、被写体をあらかじめタップしてやれば追ってくれる(指定した被写体のリアルタイムトラッキングはソニーの得意技)。

オートフレーミング前後の動画を比べる。本体を動かしていないことと、被写体の動きを見て自動的にフレーミングしてくれているのがよく分かると思う

動きながら撮影するときにいい「AIカメラワーク」

 もう1つは「AIカメラワーク」だ。こちらは、被写体も自分も動きながら撮るときに使うといい。

 被写体をロックする位置を指定すると、そこがセンターになるようにフレーミングしてくれる。デフォルトでは画面の“ど真ん中”が指定されているが、変更も可能だ。センターを維持できなくなる場合は、カメラを動かせと指示してくれる。

AIカメラワーク メインの被写体をタップして指定したら、右上のロックボタンを押す。これで追いかける被写体が設定される
フレーミング 被写体を中央に置くように自動的にフレーミングしてくれるが、センタリング対応しきれなくなると、このようにカメラを動かすよう促してくれる

 どのくらいしっかり追ってくれるのか、モデルにランダムで動いてもらいながら撮ってみた結果が下の動画だ。

AIカメラワークで実際に撮影。被写体も撮影者も動きながら撮っているが、しっかり中央に捉え続けているのが分かる

 AIカメラワークとオートフレーミングは面白くて有用だ。動画の出力解像度はフルHDになるけれど、よりダイナミックな動画を撮りたい人にぜひ使ってほしい、という意味で最初にチェックしてみた。

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