ソニーは8月27日、スマートフォンのハイエンドモデル「Xperia 1 VII」で電源が落ちる、再起動がかかる、電源が入らないといった不具合がまれに発生していた件について、原因の分析と再発防止策を公表した。7月4日から販売を見合わせていたが、8月27日から順次再開している。問題のある個体については交換対応に応じている。
不具合の原因は、基板の製造工程において温度や湿度の影響を受け、基板に不具合が生じたことだという。ソニーはこの問題を受け、基板製造における管理基準を見直し、温度や湿度を適切に制御する工程を追加した。これにより、環境条件が変動しても安定した品質を確保できる体制を整えたと説明している。
ソニーは今回の問題を重大な事案と位置付け、再発防止に向けて製造全体の品質管理体制を強化した。まずXperia 1 VIIで影響を及ぼした原因と関連する工程や、機能に影響する各設定値の総点検を実施した。今後の機種製造においても、製品特性や状況に応じた点検体制を構築・運用するとしている。
さらに、製造工程におけるリスク評価体制を新たに導入した。品質に影響するリスクを検証・評価する仕組みを強化し、交換対応品や現在製造中の製品からすでに運用を開始している。今後の製造にも順次適用し、厳格な品質管理の実現を目指すという。
ソニーは今回の不具合について改めて謝罪した。特にXperia 1 VIIの交換対応においては手間や時間を要したことについても改めて触れ、「全てのお客さまに安心して製品をご利用いただけるよう、より高い品質基準での製造を推進してまいります」とした。
さらに、「お客さまから多くの厳しいご意見をいただきました」とした上で、「私たちはその1つ1つを真摯に受け止め、再びお客さまの信頼を得られる製品をお届けできるよう、全力で取り組んでまいります」とし、「Xperiaが『好きを極めたい人々に、想像を超えたエクスペリエンスを』というビジョンのもと、お客さまの信頼に応え続けるブランドでありたいと考えています」と宣言した。
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