デジタル機器メーカーのアンカー・ジャパンと牛丼チェーンの吉野家は、関東エリアの吉野家店舗で全席に充電ケーブルを常設する新たな取り組みを始めた。食事中にスマートフォンを急速充電できる環境を整えるもので、すでに関東の39店舗で実証設置を完了。今後は順次拡大し、関東全域の約220店舗で導入を目指す。
この取り組みは、来店客が牛丼などを味わいながらスマートフォンも“同時に充電できる”空間を提供することを目的としている。アンカー・ジャパンは、これまでもタクシーやホテル、カフェなどに充電設備を展開してきたが、今回は日本全国で幅広い層に親しまれている吉野家との連携により、より日常生活に密着した形で充電体験を提供する。代表取締役CEOの猿渡歩氏は「スマートフォンの充電は、1日3回の食事と同じくらい欠かせないものになった。身近な場所で短時間でも急速に充電できる環境を広げたい」とコメントしている。
設置されるのは、アンカー製の「PowerLine III Flow USB-C & USB-C ケーブル」。ケーブル外装に柔らかいシリコン素材を採用し、絡みにくく、折り曲げ耐性は約2万5千回に達する。充電ボックス内には最大67W出力に対応する電源タップを内蔵し、スマートフォンやタブレット、ゲーム機「Nintendo Switch 2」などを充電できる。さらに、ケーブルにはマグネット式のホルダーが付属し、使用後にすっきりと収納できるよう工夫されている。
アンカー・ジャパンはこれまで、同社の製品を通じて「スマートで豊かな暮らし」を体験できる場の拡大を目指してきた。全席に充電設備を備えたAnker Cafeの展開に続き、今回の吉野家との取り組みは“街中のどこでも充電できる社会”を目指す同社の活動の一環といえる。
吉野家としても、注文用タブレットの導入が進む中で、来店客の利便性を高めるデジタル施策として注目される。一方、利用者が長時間充電を行うことで、店舗の回転率が下がる懸念点もあるが、吉野家広報は「設置している店舗で長時間滞在される方は見受けられない」とし、「現状では充電時間に制限を設けない」としている。
実証設置を終えた店舗は、東京・浅草通り稲荷町店、池袋北口店、新宿靖国通り店などをはじめとする都内37店舗のほか、神奈川県の川崎西口店と川崎富士見店、埼玉県の草加ヴァリエ店を含む計39店舗。今後は、関東エリア全域で順次展開を進め、最終的には約220店舗の全客席で利用できるようにする方針だ。
外出中の“充電切れ”という不安を軽減し、牛丼を味わいながらスマートフォンもリフレッシュできるこの新サービス。吉野家とアンカーの協業は、飲食とテクノロジーが融合する新しい店舗体験の象徴となりそうだ。
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