ソフトバンクは11月5日、「2026年3月期 第2四半期 決算説明会」を開催し、宮川潤一社長が登壇した。楽天モバイルの「値上げしない」宣言に対し、地方のインフラ整備に触れ「アンフェアだ」と厳しく批判した。
大手3キャリアが相次いで料金を改定し、事実上の値上げに踏み切る中、楽天モバイルは9月末にあえて記者会見まで開催し、代表取締役会長の三木谷浩史氏が「価格据え置き」を宣言した。本題は10月から始めた「Rakuten最強U-NEXT」やそのキャンペーンの発表だったが、既存のRakuten最強プランはあえて低価格のままで提供することを強調していた。
楽天モバイルが「値上げしない」と宣言したことについて、宮川氏はインフラ整備におけるコスト構造の違いから「アンフェア」であると強く批判した。宮川氏は、携帯キャリアのコストの大部分が、地方のインフラ構築にかかることを強調。「(キャリアは)背の高い鉄塔を建てる、イコール、コストが高いエリア。それから、基地局とネットワーク側をつなぐ光ファイバーの伝送網も、非常に距離が長いので、ものすごい工事代がかかる」と説明した。地方の基地局のトラフィックについては、「都会の基地局の1%にも満たない」としつつも、電波法に基づく全国整備の義務として地方展開は欠かせないと述べた。
これに対し、楽天モバイルがローミングに頼る現状で、「値上げしません」と同じ発言ができるのだとしたら、これは不公平であると指摘。「電波の今までの日本の、アロケーション(周波数割り当て)の仕方から言うと、ルールとはちょっと違うのではないか」と疑問を呈した。
さらに、全国を面でつなぐための「最後の10%、5%をいかに埋めていくか」という努力を公平に行った上で同じ発言をするならフェアだが、「ローミングに頼った現状であると、それはアンフェアである」との見解を示し、この問題について「どこかで議論が始まってくれるとうれしい」とした。
宮川氏は2月10日の決算説明会でも値上げについて言及していた。「健全な形でものの値上げ(物価高騰)に合わせたぐらいの値上げを、どこかでやらなければならない」としつつも、「4社のうちの1社が最初にスタートを切るのは、相当勇気がいるところ」とし、「いまは動くつもりはない」と具体的な動きを現状しない姿勢を示していた。
さらに、「もう1度健全な形に戻さなければ」と強調した宮川氏は、「せっかく世界で一番強かった(日本が)通信が安いだけの国になってしまった」ことと、「開発力で落ちてしまった」ことを危惧していた。
8月5日には、「値上げしたい気持ちはすごくある」と本音を述べつつも、「それがお客さまに受け入れられるかどうかが全てだ」と話した上で、「お客さまにご納得いただけるような適正価格になるように慎重に検討したい」とした。「NTTドコモとKDDIの2社も強敵だが、楽天モバイルも忘れてはいけない存在」ともいい、「漁夫の利」にならないようにしたいとの持論を述べ、値上げの結果として顧客離れにつながってはならないとの考えを示していた。
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