中国本土でXperia関連情報にある変化が起きている──。
ソニーが中国本土で展開してきたXperia事業は、公式な撤退表明こそないものの、中国においてXperiaの情報にアクセスする手段が限られてきているのだ。最も顕著なのは、同社が自ら管理してきた中国向け公式SNSアカウントと、中国版サイトにおける変化だ。こうした動きは、新たな局面を示す静かな変化と考えられる。
中国本土の一部SNS上では、Xperia関連の公式アカウントが閉鎖された。ソニーがWeChatにて運用していた「索尼 Xperia」というアカウントには「停止使用」などの文言が並び、既にアカウントの更新が行われていないことが示されている。ソニー公式のアカウント「索尼中国」は概要や投稿画像などを確認できたことから、こちらはアカウント停止にはなっていないと思われる。
このことから、アカウントそのものを終了する措置であり、今後の発信活動を継続する姿勢は読み取れない。ユーザーから最も見えやすい情報発信拠点が運営終了となった事実は、現状の動向を示す象徴的な出来事となった。
中国本土の一部SNSでXperia公式アカウントが閉鎖された。WeChatの「索尼 Xperia」は「停止使用」とされ更新も停止。一方、ソニー公式の「索尼中国」は存続している。主要な発信拠点の終了は、今後の活動継続の意思がないことを示唆しており、現状を象徴する出来事となったWeb上でも変化が起きている。ソニー中国版公式サイトでは、従来掲載されていた「スマートフォン/電話」のカテゴリーが静かに削除された。加えて、サイト内検索からもXperiaの製品ページを確認できない状態が続く。さらに、中国向けXperiaサイトのドメイン“sony-xperia.com.cn”にもすでにアクセスできなくなっており、中国におけるXperiaの主要な情報入口が機能していない。
Web上でも変化が見られる。ソニー中国公式サイトでは「スマートフォン」のカテゴリーが削除され、製品ページも検索不能だ。さらに中国向けドメイン“sony-xperia.com.cn”へのアクセスもできなくなっており、同国における主要な情報入口が機能不全に陥っている製品展開においても同様の傾向が見られる。中国本土では2023年発売の「Xperia 5 V」を最後に新モデルが投入されておらず、2024年以降に海外で発表された「Xperia 1 VI」「Xperia 10 VI」、2025モデルにあたる「Xperia 1 VII」「Xperia 10 VII」についても、中国向け発表は確認できていない。SNSやWebの更新停止と併せて考えると、積極的な展開が見られない状況が続いているように映る。
ただ一方で、ソニーは中国市場からの撤退を明らかにしていない。中国市場が極めて大きな規模を持つことは変わらず、事業としての重要性は依然として高いだろう。
興味深いのは、日本市場ではXperiaの継続方針がすでに示されている点だ。ソニーグループは8月7日の2025年度第1四半期 業績説明会において、スマートフォン事業を引き続き重要な領域として位置付けた。執行役 CFOの陶 琳氏は、通信分野で蓄積してきた技術資産がスマートフォンだけでなく幅広い製品・サービスに活用されていると説明し、今後も大切に育てていく姿勢を語った。
その一方で、2025年夏商戦向けのフラグシップ「Xperia 1 VII」において、再起動を繰り返す、電源が入らないといった不具合が7月4日に公表された。ソニーは販売を一時停止し、回収および交換対応に追われた。この出来事を受け、SNS上では「今後も販売されるのか」といった声が寄せられているが、同社の姿勢からは事業継続の意向が読み取れる。
2025年夏モデル「Xperia 1 VII」で7月4日、再起動や電源不可の不具合が公表され、ソニーは販売停止と回収・交換に追われた。SNS上では今後の展開を危ぶむ声も聞かれたが、同社の姿勢からは事業継続の意向が読み取れるフラグシップの1シリーズは例年通り更新が続き、販促やソフトウェア更新も維持されている。これに対して、コンパクトモデルとして支持されてきたXperia 5シリーズは、2023年10月発売のXperia 5 V以降、新モデルが登場していない。Xperia 5 Vは横幅約68mmのサイズを保ちながら、画質劣化を抑えた光学2倍相当のズーム性能を備えるなど、上位モデルに近い特徴を持つ。
1シリーズは例年通り更新や販促が続く一方、コンパクトな5シリーズは2023年10月の「Xperia 5 V」以降、新モデルが登場していない。5 Vは幅約68mmを維持し、画質劣化を抑えた光学2倍相当のズームを備えるなど、上位機に迫る性能を持つ日本ではブランドが継続されている一方で、中国本土では情報の更新が段階的に減っているようだ。この対照的な状況は、地域ごとに事業方針を調整している可能性を示唆する。
背景には、中国本土におけるスマートフォン競争の激しさがあると思われる。XiaomiやOPPOなどが躍進を遂げたことも関係しているはずだ。ソニーはイメージセンサーやエンターテインメントなど他分野が堅調であるため、Xperiaブランドの展開対象国を見直し、事業の効率化を図っている可能性も十分にあり得る。
ただ、現在確認できる変化は、いずれも公式の詳細説明を伴っていない。SNSの運営終了、製品ページの非表示、専用ドメインのアクセス不能といった各事象は、ユーザーが直接触れられるSNSやサイトで起きている。今後、この状況が正式な方針として表明されるのか、あるいは一定期間の縮小にとどまるのかは依然不透明だ。
今回、明らかになった一連の変化は、Xperiaが中国本土で新たな局面に入っていることを示している。現時点で最も確かな情報源は、ソニー自身が残している、あるいは削除した痕跡そのものであり、公式発表の続報が待たれるところだ。
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