arrowsはもともと、富士通のグループ会社である富士通モバイルコミュニケーションズや富士通コネクテッドテクノロジーズが開発していたこともあり、ユーザーからは「富士通」ブランドに対する安心感があったという。「特に海外メーカーが日本に参入してきた際は、そこに対して心配されるお客さまに響いたと思います」(野村氏)
経営破綻する前は、ミッドレンジやハイエンドで「arrows N」や「arrows NX」を出しており、エントリーでは「arrows Be」シリーズもあった。そこにarrows Weシリーズも含めて考えたときに、ブランド全体を通じたメッセージが不足していた。
「arrows Nがこういう端末です、というのは言いやすかったのですが、それがWeでも一緒かというと、当然違ってきます。今回こだわったのは、arrowsというブランドを包含できる強さであること。堅牢性はローエンドモデルでも担保していますし、その価格帯におけるコスパのよさにもものすごくこだわっています。ファミリーブランドとしてarrows全体を包含できるメッセージであることが重要だと考えます」(野村氏)
つまり今回の「大丈夫。強いから。」というメッセージはarrows Alphaに特化したものではなく、arrows全体に関わるメッセージとして打ち出している。
「キャッチコピー自体は枯れてきたり、はやり廃りがあったりするので、表現の仕方が変わってくることはあるかもしれません。ただ、『強さ』を伝える部分は変わらないと思います」(野村氏)
「これまでは時勢に合わせたコミュニケーションをしていました。例えばarrows NXでは5Gを訴求し、arrows Nではサステナビリティーという世の中の潮流を踏まえた上で、キャリアさんとコラボレーションしていました。一方で、メーカーとして“地に足を付けたarrowsとは何ぞや”というコミュニケーションは、今回が初めてだったのではという気持ちで取り組んでいます」(外谷氏)
経営破綻前はラインアップに統一感がない部分もあったが、現在はハイエンドのAlpha、ミッド〜ローエンドのWeという2つを基本的なポートフォリオにしている。価格帯はWeシリーズが2万円台〜3万円台(Plusは4万円台〜6万円台)、Alphaが8万円台を基本としており、手に取りやすい価格帯にこだわっている。
arrows Alphaを8万円台に抑えたのは、より多くのユーザーにハイエンドの性能を使ってほしいためだ。「われわれの社是みたいなところもありますが、皆に最新技術を堪能してほしい。せっかくいいものが世の中に出てきたのに、20万円のウルトラハイエンド機を買わないと体験できないとなると、その恩恵を受けられるのは一部の人に限られてしまいます。ですから今回、『ネオハイエンド』『手の届くハイエンド』にこだわったのは、手に届く価格帯で最新技術を味わってほしいところにあります」(野村氏)
「もちろん、ウルトラハイエンドのスマホを作ることもできますが、マーケットでは9万円以下が求められていると判断しました。お客さまの購入意向が、9万円を超えるとガクッと落ちます。こうした点を、(野村氏)と2人で膝をつき合わせて話ができたので、その後の進み方は非常にクリアでしたね」(外谷氏)
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