「arrows Alpha」で一新したスマホの売り方 「ハイエンド不在」「何となく安い」からの脱却を図ったブランド戦略(2/3 ページ)

» 2025年11月27日 10時00分 公開
[田中聡ITmedia]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

メーカーとして「地に足を付けたarrowsとは何ぞや」を初めて考えた

 arrowsはもともと、富士通のグループ会社である富士通モバイルコミュニケーションズや富士通コネクテッドテクノロジーズが開発していたこともあり、ユーザーからは「富士通」ブランドに対する安心感があったという。「特に海外メーカーが日本に参入してきた際は、そこに対して心配されるお客さまに響いたと思います」(野村氏)

 経営破綻する前は、ミッドレンジやハイエンドで「arrows N」や「arrows NX」を出しており、エントリーでは「arrows Be」シリーズもあった。そこにarrows Weシリーズも含めて考えたときに、ブランド全体を通じたメッセージが不足していた。

 「arrows Nがこういう端末です、というのは言いやすかったのですが、それがWeでも一緒かというと、当然違ってきます。今回こだわったのは、arrowsというブランドを包含できる強さであること。堅牢性はローエンドモデルでも担保していますし、その価格帯におけるコスパのよさにもものすごくこだわっています。ファミリーブランドとしてarrows全体を包含できるメッセージであることが重要だと考えます」(野村氏)

 つまり今回の「大丈夫。強いから。」というメッセージはarrows Alphaに特化したものではなく、arrows全体に関わるメッセージとして打ち出している。

 「キャッチコピー自体は枯れてきたり、はやり廃りがあったりするので、表現の仕方が変わってくることはあるかもしれません。ただ、『強さ』を伝える部分は変わらないと思います」(野村氏)

 「これまでは時勢に合わせたコミュニケーションをしていました。例えばarrows NXでは5Gを訴求し、arrows Nではサステナビリティーという世の中の潮流を踏まえた上で、キャリアさんとコラボレーションしていました。一方で、メーカーとして“地に足を付けたarrowsとは何ぞや”というコミュニケーションは、今回が初めてだったのではという気持ちで取り組んでいます」(外谷氏)

ユーザーの購入意向が9万円を超えるガクッと落ちる

 経営破綻前はラインアップに統一感がない部分もあったが、現在はハイエンドのAlpha、ミッド〜ローエンドのWeという2つを基本的なポートフォリオにしている。価格帯はWeシリーズが2万円台〜3万円台(Plusは4万円台〜6万円台)、Alphaが8万円台を基本としており、手に取りやすい価格帯にこだわっている。

arrows Alpha arrows Alphaでは8万円台に収めることにこだわった。ドコモ向けモデルも、通常はメーカー直販価格よりも一括価格は高くなりがちだが、何とか8万円台に収めた

 arrows Alphaを8万円台に抑えたのは、より多くのユーザーにハイエンドの性能を使ってほしいためだ。「われわれの社是みたいなところもありますが、皆に最新技術を堪能してほしい。せっかくいいものが世の中に出てきたのに、20万円のウルトラハイエンド機を買わないと体験できないとなると、その恩恵を受けられるのは一部の人に限られてしまいます。ですから今回、『ネオハイエンド』『手の届くハイエンド』にこだわったのは、手に届く価格帯で最新技術を味わってほしいところにあります」(野村氏)

 「もちろん、ウルトラハイエンドのスマホを作ることもできますが、マーケットでは9万円以下が求められていると判断しました。お客さまの購入意向が、9万円を超えるとガクッと落ちます。こうした点を、(野村氏)と2人で膝をつき合わせて話ができたので、その後の進み方は非常にクリアでしたね」(外谷氏)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年04月03日 更新
  1. KDDI子会社で2461億円の架空取引、なぜ7年間も見過ごされたのか? 社員2人の巧妙な手口と高橋元社長の「懸念」 (2026年04月01日)
  2. d払い、dポイントのキャンペーンまとめ【4月1日最新版】 最大24%還元や10万ポイント還元のチャンスあり (2026年04月01日)
  3. Apple、異例の「iOS 18.7.7」配信対象拡大 Web攻撃「DarkSword」対策で (2026年04月02日)
  4. 車内での通信制限を気にせず動画を楽しめる「Pioneer 車載用 Wi-Fi ルーター DCT-WR200D-E」が22%オフの1万7682円に (2026年04月01日)
  5. IIJmioの「スマホ大特価セール」が6月8日まで延長 「AQUOS wish5」「Pixel 7a」など一部機種は対象外に (2026年04月01日)
  6. 選択肢が増えた「Starlink衛星とスマホの直接通信」 ドコモとauのサービスに違いはある? (2026年04月02日)
  7. 通信衛星とドコモのスマホが直接通信! 「docomo Starlink Direct」が4月27日にスタート 84機種で利用可能 (2026年04月02日)
  8. ケーブルを持ち歩く手間を省ける大容量モバイルバッテリー「Anker Power Bank (25000mAh)」が30%オフの1万490円に (2026年03月31日)
  9. 「JAPANローミング」きょう開始 災害時にライバルキャリアにつながる いま使っているスマホで使える? (2026年04月01日)
  10. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年