SNS上で支持派が強調したのは、マイナ保険証の利便性だ。厚生労働省によると、マイナ保険証のメリットは大きく5つに分かれる。
まず1つ目は、データに基づくより良い医療が受けられる点だ。お薬手帳や健診結果を持参せずとも、情報提供に同意するだけで、医師や薬剤師へ正確なデータが共有される。初めて受診する医療機関であっても、過去の履歴を踏まえた診察や処方が可能となり、患者は自身の健康状態に即した最適な医療を享受できる。
2つ目は、事前の手続きなしで高額療養費の限度額を超える支払いが免除されることである。これまでは「限度額適用認定証」の申請が必要だったが、マイナ保険証を利用すれば、窓口での支払いが自動的に自己負担限度額に抑えられる。急な入院や高額な薬が必要になった際でも、多額の現金を一時的に用意する負担がなくなる。
3つ目は、救急現場において適切な応急処置や搬送先の選定に役立つ点だ。救急隊員がマイナ保険証から医療情報を確認することで、搬送中であっても患者の既往歴に合わせた処置が可能になる。スムーズな病院選定にもつながり、緊急時における一刻を争う状況下で、迅速かつ的確な対応が期待できる。
そして4つ目は、確定申告における医療費控除の手続きが簡単になることだ。マイナポータルとe-Taxを連携させれば、医療費通知情報が自動で入力されるため、1年分の領収書を保管・集計する手間がなくなる。面倒な事務作業が解消されるだけでなく、計算間違いや入力ミスのリスクも防ぐことができる。
最後の5つ目は、医療現場で働くスタッフの業務負担を軽減できる点にある。顔認証付きカードリーダーで資格情報を自動取得できるため、手入力による手間や誤記のリスクが減少する。問診や保険確認の効率化により、医師や事務職員が本来の医療・ケア業務に集中しやすくなり、結果として医療サービスの質も向上する。
厚生労働省は「マイナンバーカードを健康保険証として利用することで、いつもの通院においても、その他の場面でもさまざまなメリットがあります」としている(出典:厚生労働省「マイナンバーカードの健康保険証利用のメリット」)前述のメリットを支持する声がSNS上にもあがっている。特に身分証としての機能性や、医療現場の負担軽減に言及している投稿は、マイナ保険証の利便性をすでに理解・実感している層によるものと見て取れる。
SNS上での声は、健康保険証が期限を迎えたことに加え、福島氏の投稿が火種となり、従来の健康保険証を巡る価値観の違いが表面化した形だ。使い慣れた健康保険証に安心感を覚える人がいる一方で、不正利用の課題がある以上、マイナ保険証ひいてはマイナンバーカードを支持する声があるのも当然といえる。
SNS上の意見は、文脈の変わらない範囲で体裁を整えています。
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