ゆうちょ銀行は、スマートフォン向けコード決済サービス「ゆうちょPay」を2026年12月20日23時59分をもって終了すると発表した。ポイントや支払い履歴の確認など付随機能の終了時期については、今後あらためて案内するとしている。同社は、市場環境の変化と決済手段の多様化が進む中で、銀行が提供するサービスとしての特色を十分に発揮できなかった点を理由として挙げた。
ゆうちょPayは2019年5月にスタートしたサービス。利用者はアプリ上に表示したバーコードを店舗で提示し、登録したゆうちょ銀行口座から代金が即時に引き落とされる仕組みで、クレジットカード登録や事前チャージを不要とする点が特徴だ。同行はこの口座即時引き落とし機能を強みとして位置付けていたが、発表では「サービス開始当初に想定した特色を十分に活かすことができなかった」とし、利用状況を踏まえて終了を決めたとしている。
銀行Payを通じて連携してきた他行のスマホ決済サービスも終了となる。対象には、横浜銀行のはまPay、福岡銀行や熊本銀行、十八親和銀行が提供するYOKA!Pay、沖縄銀行のOKI Pay、広島銀行のこいPayなどが含まれる。これらはGMOペイメントゲートウェイの決済基盤を共通で採用し、相互利用を可能にしてきたが、今後の終了時期や詳細は各金融機関に確認するよう呼びかけている。
関連サービスの一例として、はまPayではすでに利用者向けの具体的な手続き案内が公表されている。2026年7月1日以降は、機種変更に伴う新端末への残高移行ができなくなるほか、タッチ決済残高が残っている場合は早めの利用を求めている。定期的な支払いに利用している場合には、支払い方法の変更も必要となる。タッチ決済の利用終了時点で有効期限内の残高が1円以上残っている場合、2027年3月下旬以降に登録口座へ返金する予定とし、返金手続きは不要としている。一方、返金時点で登録口座を解約している場合は返金できない点も明示された。
はまPayはサイト上で、サービス終了に伴う手続と重要な留意事項について説明している。タッチ決済利用が終了する2026年7月31日時点で有効期限内の残高が1円以上ある場合、2027年3月下旬以降をめどにはまPay登録口座へ返金が実施される。この返金にあたり利用者による手続きは不要だ。なお、時期未確定の事項に関しては、今後Webサイトを順次更新して知らせるとしている(出典:「はまPay」サービス終了についてゆうちょ銀行は、サービス終了までのスケジュールや注意点を特設サイトで随時案内するとしている。ゆうちょPayポイントについても、利用者に不利益が生じないよう対応すると説明した。
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