「Pixel 10 Pro XL」のコンピューテショナルカメラはどのくらい進化した? 撮ってみて分かったこと荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(2/3 ページ)

» 2025年12月18日 18時00分 公開
[荻窪圭ITmedia]
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AIを駆使した「カメラコーチ」で写真はうまくなるか?

 Pixel 10 Proでもう1つ、AIパワー炸裂なのが「カメラコーチ」機能だと思う。

 これ、この辺で撮ろうかなとカメラを向けたとき、コーチに登場願うと「君は何を撮りたいのかね? ああ、それだったら、こういうセッティングでこうしたらどうかね?」って感じでAIベースのコーチが教えてくれる機能だ。

 使ってみよう。まず、カメラアプリで「☆」の付いたカメラアイコンをタップする。これでカメラコーチが“登場”する。

カメラコーチ起動 カメラアプリにある、☆がついたカメラアイコンが「カメラコーチ」の起動ボタンだ。これをタップすると、押した時点の映像を解析して、コーチングが始まる

 するとクラウド経由でその画像が解析され、「どういうのを撮りたいのかね?」と聞いてくる。この間、数秒かかる。

どんな感じ? どんな写真を撮りたいのか尋ねてくるので、ここに良さげなのがあったらセレクトしよう

 「うーん、違うんだよな」という場合は、「再スキャン」をタップすると違うテーマを持ってきてくれる。

別の候補 どの候補も「これじゃない」という場合は、さらに別の候補を出してもらうこともできる。「街の味わいを写す」のサムネイルは、元画像を元にAIが生成したものだ

 どれにするか決めたら、指示に従ってあれこれして撮るわけである。

アドバイス こんな風にアドバイスが順番に出る。アドバイスは無視して撮影しちゃっても構わない

 試しに、歩道の脇に捨てられたゴミに向けてカメラコーチに指示を仰いでみた。そしたら、「広がる都市景観」なるゴミを含めた街の様子を撮るアイディアが提示された。これは面白い。

 よく見ると、カメラを向けたときの画像をベースに、生成AIが「こんな感じ」ってイメージを作ってくれてもいる。

街角のゴミも被写体! 街角のゴミも被写体に! 「広がる都市景観」とは“言い得て妙”である

 こんな調子でいろいろ試してみると、面白いことに何を被写体にしても、それなりに対応してくれるのである。「器と肉で画面いっぱいにします」ってのもいいよね。

提案 カルビとローストビーフの丼でガイダンスを求めたら「器と肉で画面をいっぱいにします」と言われた!
アドバイス通りに撮る コーチのアドバイスに従って、肉をいっぱいにして撮ってみた

 では、もうちょっと普通の撮影をしてみよう。

 カメラコーチは、以下の流れで進む。

  1. カメラコーチボタンを押す
  2. 映っている映像を、クラウドAIがチェック
  3. 何を撮りたいのかの候補を提示
  4. 選ぶと、どういうセッティングにすべきかガイダンス
  5. どこにどう気をつけて撮るべきかをガイド
  6. 撮影!

 下の撮影画面の例だと「赤いアートのポートレート」か「表情にクローズアップ」など、撮りたいであろうものの候補を3つ出してくれる。「再スキャン」をタップすると、別の候補を出してくれるという仕組みだ。

候補 今回は「赤いアートのポートレート」を選んでみる。「ヒントを得る」をタップするとさまざまなバリエーションを表示してくれる
ポートレートモード 「ポートレートモードを使う」ということで、撮影画面の「ポートレート」表示に青い枠が表示される。その通り指示に従って、表示をタップしてポートレートモードに切り替える
切り替えた ポートレートモードに切り替えた。余談だが、ポートレートモードのズーム倍率は先代の「1.5xと2x」から「1xと2x」に変わった

 ガイダンスを3つほど経て、撮影したのがこれ。

撮ったよ 赤いアートを背景にポートレートモードで撮ってみた

 面白いので他の被写体でも教えを仰ごう、ということでネコを撮ってみる。

ネコ 「床でくつろぐ猫」を被写体に選ぶと……
アドバイス 「猫と同じ目線にする」ようにアドバイスされた。これは正しい

 コーチを受けてたら、ネコがじっとしていられず動いちゃったので、なかなか難しかったのであるが、こんなのが撮れました。

撮ってみる ネコがじれちゃってボリボリし始めたので、思わずシャッターを切ってしまった。でも舌がかわいいのでよしとしよう

 なお、カメラコーチ機能では「このヒントは気に入らない」「このヒントは気に入った」といったフィードバックもできる

 AIに撮影をコーチしてもらう、というのは昨今の会話型AIの応用編という感じで面白いし、文章と生成AIが作ったイメージでコーチングしてくれるのは分かりやすい。時には「何をいってるのかよくわからない」っていう文言もあったりするけれども、それはさまざまなフィードバックを経て改善されていくだろう。

 漫然とカメラを向けたとき「あなたはどういう写真を撮ろうとしてるの?」とAIに問いかけられているようでもあり、イラッとする人は使わなければいいし、結局シャッターを押すのは自分なので、コーチが無茶いっても無視すればいいし、ときには「あ、そういうことに気をつけるといいのか!」とか「あ、そう撮った方が伝わりやすいかも」ってなりそうである。

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