今日から始めるモバイル決済

「NISA始めたいけど不安」をドコモショップで解消 ドコモとマネックス証券が「身近な投資」目指す

» 2026年01月28日 14時35分 公開
[金子麟太郎ITmedia]

 NTTドコモとマネックス証券は1月29日、全国のドコモショップにおいてマネックス証券の証券総合取引口座開設などを対面で支援する各種設定サポートを開始する。この取り組みは、ドコモショップを運営する代理店が金融サービス仲介業のライセンスを取得して実施するものであり、通信キャリアの店舗スタッフが証券口座の開設案内を行う試みは業界で初めてだという。まずは先行して35店舗でスタートし、早期に100店舗規模、将来的には約1000店舗へと順次拡大していく計画だ。

docomo NTTドコモ マネックス証券 NTTドコモ

 サービス提供の背景には、インフレや将来資金への関心が高まる一方で、資産形成の具体的な始め方が分からないという生活者の課題がある。両社が実施した共同アンケートでは、NISAの認知率は約8割と高いものの、実際の利用者は約4割にどどまっている実態が明らかになった。さらに、利用していない層の8割が相談できる相手がいないと回答しており、知識はあるが最初の一歩を踏み出せないという大きなギャップが存在していた。この課題を解決するため、日常的な接点であるドコモショップでの対面サポートという手法が選ばれた。

docomo NTTドコモ マネックス証券 NISAの認知度は8割に近いものの、認知者の半数以上が未利用という調査結果。制度を知っていながらも、実際の利用には至っていない「投資の壁」の存在を浮き彫りにしている
docomo NTTドコモ マネックス証券 NISAの利用開始時に誰かに相談したと回答したのは約45.7%。身近な相談相手の存在が、投資を始める際の心理的ハードルを下げ、実行を後押しする重要な要因であることを示す

投資の第一歩を身近な対面窓口で踏み出す安心感 「各種設定サポート」とは

 ドコモショップで提供される「各種設定サポート」は、証券外務員資格を保有するスタッフが対応にあたる。サポート範囲は「証券総合取引口座」や「NISA」の開設から、投資信託の積立設定、アプリの操作方法まで多岐にわたる。具体的には、スマートフォンの画面を一緒に見ながら手続きを進める形式をとっており、手続きに不慣れな層でも無料で支援を受けることが可能である。ただし、具体的な投資信託の銘柄や株式の売買といった個別の金融商品に関する勧誘や助言は対象外となり、それらはマネックス証券のカスタマーサポートが引き継ぐ体制を構築している。

docomo NTTドコモ マネックス証券 ドコモショップでのサポート内容

 NTTドコモのコンシューマサービスカンパニーウォレットサービス部長である田原務氏は、今後の金融戦略について次のように述べた。ドコモは1億人以上の会員基盤を持ち、決済を起点に事業を拡大してきたとした上で、「通信キャリアの枠を超え、日常の接点を生かしてお客さまの暮らしを支える金融サービスをシームレスに提供する必要がある」と語った。また、銀行、融資、保険、証券の各機能を統合し、「暮らしと金融の境目のない未来」を目指すと宣言した。マネックス証券との資本業務提携は、その戦略の要であり、専門性と日常の利便性を掛け合わせることで、誰でも手軽に始められる資産形成を実現したいという。

知っているけれど始められない壁を壊す

 マネックス証券の取締役社長執行役員である清明祐子氏は、1999年の創業以来「金融の民主化、投資の民主化」を掲げてきた同社の歩みを振り返った。同社は2017年にシステムを内製化し、APIを通じて他社サービスに金融機能を組み込むエンベデッド・ファイナンスを推進してきた。今回のドコモとの提携もこの技術基盤が可能にしたものだ。清明氏は「ネットの利便性と対面の安心感という、これまで両立が難しかった価値が今回の取り組みで1つになる」と強調した。店舗を持たないネット証券が、ドコモショップというリアルの場を持つパートナーと組むことで、日本の投資家層の拡大に寄与する姿勢を示している。

 具体的なサポート内容の2点目として、清明氏は「投資設定のサポート」を挙げた。これは単に口座を作るだけでなく、利用者に最適な始め方を提案するものだ。例えば「dカード」での積立投資や、保有残高に応じてポイントが付与される「dアカウント」連携、日常の決済アプリから投資ができる「かんたん資産運用」の設定などを案内する。利用者が「お得」を逃さずに資産形成を継続できる環境を整えることが目的だ。さらに、多要素認証の設定といったセキュリティ面や、アプリの基本的な見方などの「基本操作サポート」も徹底し、利用者が自分自身で資産を守り管理できる状態を目指す。

サポート提供場所も公表 日常のドコモショップが資産形成の窓口に

 NTTドコモはサポート提供店舗も公表した。まずは札幌光星店や盛岡バイパス店、赤坂店、渋谷宮益坂店、中目黒店、府中店、水戸西店、長久手店、神戸長田店、松山空港通店、ひびきの店などコネクシオが運営する35店舗で実施し、対象店舗は順次拡大していく。利用には事前予約が必要で、スマートフォンやマイナンバーカードを持参することでスムーズな手続きが可能となる。

docomo NTTドコモ マネックス証券 サポート提供店舗
docomo NTTドコモ マネックス証券 ドコモショップが金融サービス仲介業者として、マネックス証券の手続きを対面でサポートする仕組み。顧客がdポイントやdカードを活用して資産運用を行う流れ

 清明氏は、2月13日の「NISAの日」を前にこの発表ができる喜びを語り、「ドコモショップを訪れる人々が、個人の資産形成を本気で支えてきたマネックス証券を紹介されるからこそ、安心して始められる」と自信を見せた。

 両社は今後、一人一人のライフステージに合わせた金融サービスを提案し、シームレスな資産形成を支援していく方針だ。田原氏は、ドコモショップというリアルの場が持つ価値を再定義し、「対面でのサポートにより、お客さまが気軽に、安心して資産形成の一歩を踏み出せる環境を提供していきたい」との意気込みを述べた。通信と金融が融合した新しい形のサポート体制が、日本の個人の資産運用をどう変えていくのか、その成果が期待される。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年06月27日 更新
  1. 「海外からの迷惑電話が解消した」との声も NTTタウンページの「詐欺対策」アプリ、累計100万ダウンロード突破 (2026年06月25日)
  2. 年会費9万9000円の価値はある? 最上位クレカ「Olive Infinite」と「Visa Infinite」の違いと持つべき人 (2026年06月25日)
  3. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  4. スマホの短期解約、最長1年の「継続利用」容認で抑制へ 「お試し割」は統合 総務省が取りまとめ (2026年06月25日)
  5. 「iPhone 17e」と「iPhone 17」どちらが買いか? 2機種を使い込んで分かった“スペック表にない違い” (2026年04月29日)
  6. iPhoneそっくりなだけじゃない、コラボモデルもある「HONOR 600 Pro」 (2026年06月26日)
  7. 「実質24円」は今後も続く? スマホ残価設定は「現状維持」、残価率の一律化は「適当ではない」と総務省が評価 (2026年06月25日)
  8. 「日本は6G周波数の議論すら始まっていない」 クアルコムが抱く危機感と、AI時代の次世代通信 (2026年06月26日)
  9. 「モラルが欠如している」──LINE安否確認で“悪ふざけ”、SNSで批判の的に (2026年06月26日)
  10. ソニー「aibo」の国内販売終了 なぜ、人に愛される存在になったのか (2026年06月25日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー