米Orbic、日本市場から事実上の撤退か オービックとの商標訴訟に敗訴、日本法人から情報発信なし【更新】(2/2 ページ)

» 2026年02月22日 06時00分 公開
[金子麟太郎,ITmedia]
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「Orbic」ブランドが消える日――判決が命じた厳しい代償

 2025年11月26日に言い渡された判決は、Japan Orbicにとって極めて厳しいものとなった。裁判所は、営業上の施設や活動におけるOrbic等の標章の使用禁止に加え、商品や包装、パンフレット、さらにはWebサイトからの標章抹消を命じた。最も致命的だったのは、Japan Orbicという商号自体の使用禁止と、登記の抹消を命じるという宣告であった。これにより、同社は日本国内において現在の名称で活動を継続する法的根拠を完全に失ったのだ。

 判決の前後から、同社の公式な発信は目に見えて停滞していった。公式Xアカウント(@OrbicJapan)の更新は、2025年8月8日の投稿を最後に途絶えている。残された最後の言葉は、麦茶の冷たさがしみるという季節のあいさつのみであり、その後の沈黙は現在に至るまで半年以上続いている。

 さらに深刻なのは、ユーザーとの唯一の接点であるべき公式サイトの現状だ。2026年2月現在、Orbicの国内公式サイトにアクセスを試みても、プライバシーが保護されないというエラーが表示され、情報の閲覧すら不可能な状態に陥っている。

オービック Orbic 公式Xアカウント(@OrbicJapan)の更新は、2025年8月8日の投稿を最後に途絶えている(出典:公式Xアカウント(@OrbicJapan))

 こうした不透明な状況を受け、日本市場からの撤退が事実であるかを確認するため、Japan Orbicに対して正式にコメントを求めたが、現在まで回答は得られていない。問い合わせた内容は、政府の法人情報サイトである「gBizINFO」においてJapan Orbicの登記記録が閉鎖されている事実に基づき、日本市場から完全に撤退したのかという点だ。合わせて、エラーが表示されている公式サイトの閉鎖の有無、販売済み製品のサポートやソフトウェア更新の継続、さらには日本のユーザーに向けた告知予定についても質問をしたが、同社からの返答は一切なかった。

 法人番号公表サイトのデータを確認すると、Japan Orbicの登記は2024年10月11日付で閉鎖されている。これは、Japan Orbicを2024年10月1日にOrbic Japanに吸収合併するとともに法人名を変更したことによる。ともあれ、判決で商号の抹消まで命じられた現状を鑑みると、再起の道は極めて険しい。

【訂正:2025年2月22日23時50分 Japan Orbicの商号変更についての記述を追記、修正いたしました。これに伴い、タイトルも変更しております。】

 これまでも、ビジネスが成功せず、いくつかの海外携帯メーカーが日本から撤退した。しかし今回のOrbicは「商標権の侵害」という想定外の理由で、ビジネスがストップする事態に陥った。参入からわずか2年余り。米国の有力メーカーとして鳴り物入りで上陸したブランドは、日本の商標権という壁を越えられず、ユーザーへの説明責任を果たせぬまま、静かにその姿を消そうとしているようだ。

 一度はOrbicの端末を手に取った日本のユーザーは今、戸惑いの中にいるだろう。Orbic JOURNEY Pro 4GやFun+ 4Gなどの製品は、故障時の対応や今後のアップデートが放置されている状態にある。判決が出てしまった以上、日本でOrbicブランドの端末が今後登場することはないだろうが、果たしてメーカーから何らかのアナウンスはあるのだろうか。

オービック Orbic アクセスできなくなったOrbicの日本向け公式サイト
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