サムスンに聞く「Galaxy S26」シリーズ開発秘話 AI機能はさらに賢く、商用化まで5年を要した「プライバシーディスプレイ」(2/2 ページ)

» 2026年03月12日 21時00分 公開
[金子麟太郎,ITmedia]
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のぞき見の不安から解放されるS26 Ultra 「商用化に約5年の歳月を費やした」

 サムスン電子はAIだけでなくプライバシーの保護にも注力している。最上位の「S26 Ultra」は世界初となる「プライバシーディスプレイ」を搭載。設定1つで周囲からののぞき見をブロックし、自分だけには鮮明な画面を表示する。

GalaxyS26 サムスン電子 Galaxy S26シリーズの最上位モデルとなるS26 Ultra

 S26 Ultraの有機ELパネル内には、光を広く拡散する通常のピクセルと、光を直進させる特殊なピクセルを均等に配置している。機能をオンにすると拡散用ピクセルのみが消灯し、直進する光だけが残ることで、正面以外からは画面が見えなくなる仕組みだ。

GalaxyS26 サムスン電子 状況に応じて光を直進させかどうかを変更できる仕組みだ。これにより機能が有効になっている最中はのぞき見を防止できる
GalaxyS26 サムスン電子 写真はチェ氏がプライバシーディスプレイについて実演する様子。最初は真っ正面に向けたS26 Ultraのディスプレイだが……
GalaxyS26 サムスン電子 少し回転させていくと横からのぞき見ることができなくなる。今回はメッセージの通知のみをのぞき見しづらくした

 のぞき見を防止すること自体は市販の保護フィルムでも可能だが、画面を他の人と一緒に閲覧する場合に剥がせず全員が見づらくなる。対してプライバシーディスプレイは状況に応じて瞬時にオンオフできる上、特定のアプリやポップアップのみを隠すといった自由なカスタマイズも可能にしている。

 チェ氏は「モバイル事業部自らが消費者の悩みを分析する中で生み出したアイデアだ」と他社からの持ち込みではないことに加え、このプライバシーディスプレイの「商用化に至るまでに約5年の歳月を費やした」と明かした。

 同機能の実現に際して、チェ氏は「プライバシーモードをオフにした通常時に既存の製品より画質が劣るポイントがあってはいけない」とさまざまな技術的課題を解決したと語る。ソフトウェア面でも「好きな領域や好きなアプリ、好きなモードでだけ動作ができる」という。

 ユーザーのプライバシー保護を最優先に考えた開発姿勢こそがS26 Ultraの大きな魅力の1つとなっており、プライバシーディスプレイの実装に至った最大の理由となっているようだ。チェ氏は今後について、「現状(S26 Ultraへの搭載のみ)にとどまらず、重要な中核的差別化技術としてさらに高度化と発展をさせていく」と意欲を示した。

AIフォンの展開とS26シリーズの訴求 横浜流星さんを新CMに起用

 サムスン電子ジャパンが開催したGalaxy S26シリーズの新CM発表会では、小林氏がGalaxy S26を通じて最もアピールしたいことを語った。

GalaxyS26 サムスン電子 サムスン電子ジャパンのMX事業本部常務・CMOを務める小林謙一氏

 Galaxy AIについてはサムスン電子が2024年に発売したGalaxy S24シリーズを世界初のAIフォンと位置付けたところから歴史が始まっている。小林氏によると、このGalaxy AI搭載端末は、2024年に2億台、2025年には4億台を突破し、着実に世界中へ浸透しているという。

 最新のGalaxy S26シリーズでは、これをさらに進化させた「先回りするAIフォン」というメッセージを打ち出した。特に最上位モデルのS26 Ultraを通じて、想像を超える付加価値とプレミアムな製品体験を、新たなブランド価値としてアピールしていく方針だ。

 サムスン電子の根幹には、最先端テクノロジーを性別、年齢、国籍を問わずあらゆる人へ届ける「Innovation for All」というパーパスがある。ブランドメッセージである「Life opens up with Galaxy」には、Galaxyの体験を通じてユーザーの生活を豊かにし、オープンな世界で新たな可能性を切り開くサポートをするという強い意思が込められている。

 新CMでは、「他者の視線を気にせず、自分の好きなことを追求して自分の気持ちに素直になろう」というメッセージを伝える存在として、俳優の横浜流星さんを起用。その理由は、「彼が役柄に対して常に真摯に向き合い、探求し、素晴らしいパフォーマンスを見せるという姿勢にある」(小林氏)そうだ。加えて、「そのストイックな姿勢が、サムスン電子の掲げる『Innovation for All』の考え方と深く共鳴したため、今回の出演依頼に至った」(小林氏)という。

GalaxyS26 サムスン電子 プライバシーディスプレイを体験する俳優の横浜流星さん

 アップデートしたハードウェア性能と先進的なAI技術を融合させ「ユーザーの日常生活を変える可能性を秘めている」Galaxy S26の魅力が新CMを通して、多くの人に浸透していくのか、また次世代のモバイル体験をリードできるほどの進化があるのか、Galaxyの成長に期待したい。

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