世界スマホ市場、2026年第1四半期は4.1%減 メモリ高騰の影響で──IDC調べ

» 2026年04月15日 16時49分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 米調査会社IDCが4月14日(現地時間)に発表した2026年第1半期(1〜3月期)の世界スマートフォン市場に関する速報値によると、同期間のスマートフォン総出荷台数は前年同期比4.1%減の2億8970万台で、2023年半ばから続いていた10四半期連続の成長記録が途絶えた。

 IDCは減少の主因として、メモリ供給の停滞と価格高騰を挙げている。DRAMなどの部品価格が上昇したことで、メーカー各社は出荷量の抑制と価格引き上げを余儀なくされ、需要の鈍化につながったと分析している。また、AIインフラ向けに半導体需要がシフトしていることも、スマートフォン向け部材の逼迫を招いていると指摘した。

 こうした厳しい環境の中で、上位メーカーの動きには明暗が分かれた。首位の韓国Samsungと2位の米Appleは、いずれも前年同期比で出荷を伸ばし、プレミアム機種を中心にシェアを拡大した。

 Samsungが首位の座を奪還したのは、主にハイエンドの新モデル「Galaxy S26 Ultra」への強い需要によるものだ。発売時期が遅れたにもかかわらず、出荷台数は前年比3.6%増となった。Ultraの好調な販売は、前モデルと価格設定が変わらなかったことも要因の一つだ。さらに、ミドルレンジのAシリーズを先行発売したことで、S26の発売が遅れたことによる販売台数の減少を補い、成長を後押しした。

 samsung Samsungのハイエンドモデル「Galaxy S26 Ultra」(画像:Samsung)

 一方で、3位の中国Xiaomiは競争激化や製品構成の転換の影響で減少し、4位の中国OPPOと5位の中国vivoもほぼ横ばいまたは限定的な伸びにとどまった。市場全体が縮小する中で、上位2社への集中が進んでいる構図が浮き彫りになった。

 idc lanking 世界のスマートフォン出荷台数、市場シェア、前年同期比成長率上位5社(2026年第1四半期、出荷台数は百万台単位、資料:IDC)

 IDCのアナリストは、今回の減速を一時的なものではなく、供給網に起因する構造的な変化の始まりと位置付けている。特に低価格帯モデルを主力とするメーカーはコスト上昇の影響をダイレクトに受け、今後は市場からの撤退や再編が進む可能性があると指摘する。一方で、価格上昇に伴い平均販売価格(ASP)は上昇基調が続く見通しで、収益性を重視した戦略への転換が加速するとみられる。

 今後についてIDCは、2026年通年の出荷台数が前年から大幅に減少し、10年以上ぶりの低水準に落ち込む可能性があると予測している。ただし、メモリ供給の正常化が進めば2027年以降は回復に転じる見込みであり、市場はより高価格帯、高付加価値製品を中心とした構造へ移行するとみている。

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