併売店の閉店が相次いでいる背景には何があるのか。話を聞いた店員はこう説明した。
併売店が大きく減った原因としては法改正があると思います。具体的にいうと、2019年10月に施行された電気通信事業法の改正です。この法改正によって、携帯電話の大幅な割引や、キャッシュバックを始めとする還元の実施が難しくなりました。
併売店は「他の店より安い」「地域最安」あたりを売りにしていたじゃないですか。お客さまもこれらを期待して通ってくれていたのに、“安さ”がなければ、わざわざ来る理由がなくなってしまうんですよね……。
主に併売店で勤務していた他の人にも話を聞いたが、やはり2019年10月に施行された電気通信事業法の改正の影響は大きかったようだ。
しかし、この法改正の少し後には、新型コロナウイルス感染症の流行によって「安くできない」以外の理由で携帯電話が売れない時期が訪れた。冷静に考えると“閉店ラッシュ”が始まってもおかしくなかった状況だったと思われる。
法改正によって閉店があまり進まなかった背景について聞いてみると、こんな答えが返ってきた。
確かに、法改正で端末の販売台数は大きく減りました。しかし、店舗の閉店にも結構なコストがかかるんですよね。場合によっては「閉店するよりは、どうにか(店舗を)続けた方がいい」という判断も成り立ちます。うちの店舗の場合、「台数が出ないなら固定費を下げましょう」ということで、まずは人員を減らしました。固定費で一番重たいのは、人件費なんですよね……。
割引ルールが厳格化されたとはいえ、まだ“抜け道”のようなものはあったので、店舗としても会社としても工夫して「安く売る」ようにしましたし、制度面に詳しいお客さまも“お得な買い方”を見つけてくるので、販売台数は減ってもそれなりにまだ売れてはいて、店舗をそれなりに継続できる状況にはあったんです。
この店舗が生き残れた理由は、他にもある。
都市部でも、駅前にキャリアショップがあるとは限りません。「併売店が最寄りの携帯電話販売店」という地域もあります。私が働いている店も、まさにそういう状況です。
こういう市場環境にあると、「安く買いたい」といった“玄人な”お客さま以外の固定のお客さまを確保しやすいので、売れない状況になっても売るチャンスまではなくなったわけではありませんでした。ゆえに、店を閉めずに続けられたというのはあると思います。
生き残った併売店は、ある意味の企業努力によって閉店を免れてきたということである。もちろん、人員の削減はネガティブな行動かもしれないが、どうにか店舗を維持するためにやれることをひとしきりやったのだとも考えられるし、商圏の優位性から残れたという運、または出店時からそういう狙いがあり、それが機能した結果ともいえる。
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