モバイル通信事業者(キャリア)の代理店たるキャリアショップを含めて、携帯電話販売店の数はここ10年ほど減少傾向にある。ただ、販売店の業態によって“減少傾向”の様子は異なる。
例えば、キャリアショップの場合は「出店箇所の見直し」が主で、商圏の重複する店舗の統合にとどまることが多い。場合によっては統合後に残った店舗を移転または改築して大型店として再オープンというケースもある。
一方で、複数のキャリアを取り扱う併売店の閉店は、店舗統合を伴わない“純減”が多く、ポジティブさに欠ける面がある。その実情を、長年併売店で勤務しているショップ店員に聞いてみた。
数を減らしていることもあり、併売店を見かける機会も少なくなった。「どういう携帯電話ショップなの?」という人もいると思うので、改めて説明したい。
先に触れた通り、併売店は複数のキャリアを取り扱う携帯電話ショップのことを指す。逆に、特定のキャリアしか扱わない携帯電話ショップは「専売店」と呼ぶが、キャリアショップ以外の専売店は、併売店よりもさらにレアな存在となっている。
家電量販店も広義の併売店に相当するが、携帯電話業界で「併売店」という場合は、複数キャリアの回線や端末を主商材として扱う“単独”店舗のことを指す。
かつての併売店は、いわゆる「街のケータイショップ」として駅前のロータリー近辺など地域の“一等地”に小さめの店舗を構えることが多かった。端末を購入する場合はキャリアショップはもちろん、家電量販店よりも価格が手頃な傾向にある上に、契約に伴うキャッシュバックも手厚かった。携帯電話の「激安ショップ」として記憶している人もいるだろう。
そんな併売店は、携帯電話自体の普及期、あるいはスマートフォンが本格的に登場して間もない頃は家電量販店の旗艦店と変わらない販売台数を叩き出す店舗もあった。店舗自体の規模が小さいことを考えると、これはものすごいことだった。
筆者自身も、かつては携帯電話の販売スタッフとして働いていた。家電量販店の旗艦店に勤務していたこともあれば、併売店で勤務していたこともある。併売店に転職した時は「店も小さいし、少しは楽になるかな?」と考えていたのだが、転職前と同じかそれ以上に忙しくなり、併売店ならではの販売施策なども相まって「おもしろい販路だ」と感じていた。
だが、その独自性の強かった併売店が、どんどん数を減らしている。一体なぜなのだろうか。
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