昨今の流行デジカメといえば、薄型+高速起動+大型液晶ディスプレイである。ソニーの「サイバーショット DSC-T1」(以下、DSC-T1)とカシオの「EXILIM Z40」(関連記事参照)は3つの要素をすべて満たしており、さらにクレードルが標準装備という点でも同じだ。
もう一つ注目すべきは、屈曲光学系を採用したデジカメがすごい勢いで増えていること。「DiMAGE X」から始まった、光を90度曲げてボディに内蔵したレンズ群に入れるというこのシステムは、電源を入れてもズーミングしても、レンズがボディから飛び出ないということで一部で話題となった。
逆に、認知度が低い間は、レンズが飛び出ないのでズームレンズだとは思われない、レンズが出ないのであまりありがたみがないという声も聞こえたものの、2003年には「DiMAGE Xt」や「DiMAGE X20」、さらに三洋電機から「Xacti DSC-J1」が登場。そして年末に出たソニーのDSC-T1の大ヒットによって定着した。
さらに2004年になると、「DiMAGE Xg」や「DiMAGE X21」(関連記事参照)、「Xacti DSC-J4」はもちろんのこと、ペンタックスの「Optio 43WR」、ソニーの「サイバーショット DSC-F88」(関連記事参照)と採用モデルは増えた。
そして、オリンパスの「CAMEDIA AZ-1」(以下、AZ-1)である。屈曲光学系を使ったフラットで薄型のデザイン、2.5インチの巨大な液晶ディスプレイ、起動時のレンズ駆動がいらないという屈曲光学系のメリットによる高速起動、クレードルによる充電やデータ転送と、最新のトレンドを詰め込んでの登場だ。
AZ-1の一番の特徴はそのデザインである。
写真のように近未来的な精悍さを持ったフラットなボディは、今まではどちらかというと丸みを帯びた製品が多かったオリンパスでは異色で、全く新しいコンセプトのデザインとなっている。前面もフラットでグリップ用のでっぱりはないが、レンズが端にあるため前面部の面積が広く、構えてみると非常にホールディングしやすい。
厚さは21.9ミリ。人気モデルのDSC-T1と比べると、少し厚くて重めなのは少々残念だ。
前面の端にあるレンズは、35ミリフィルムカメラ換算で38-114ミリ相当の屈曲光学系の光学3倍ズーム。開放F値はF2.9〜4.9と、沈胴レンズ式のコンパクトデジカメとさほど変わらない。CCDは320万有効画素である。
撮影距離は50センチから無限遠で、マクロモード時は30センチとちょっとマクロ機能は弱いが、スーパーマクロモードにすると8センチまで寄れる。しかしその場合は、ズーム位置が中望遠域(だいたい60〜70ミリくらい)に固定される。
シャッターボタンは上面の曲面と一体化してデザインされており、今までのシャッターのイメージとはかなり異なる。だが、やや硬めだがシャッターは押しやすい位置にあってよい。
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