GLADIAC 940 Ultraが実売価格7万円強であるのに対して、GLADIAC 940は4万円強。上位機種と比較して約6割の価格で販売されているGLADIAC 940のコストパフォーマンスはどうなっているだろうか。
3DMark03の結果を見る限り、アンチエイリアスや異方向フィルタリングを無効にした軽負荷状態のテストで、3DMark03 Scareも個別のほとんどのテスト項目でもGLADIAC 940はGeForce 6800 Ultra性能比で6割から7割を発揮している。コストパフォーマンス的には価格以上の結果を出していると考えていいだろう。
ただし、アンチエイリアスと異方向フィルタリングを有効にした重負荷状態にすると、対GeForce 6800 Ultra性能比はやや低くなる。とくに1600×1200ドットの高解像度のテストでは、ほとんどのテストで6割を下回るようになってくる。この傾向はパイプラインの本数を減らしたことが影響していると考えられるが、それを考慮すると、軽負荷時で使う場合において価格以上のパフォーマンスをノーマルGeForce 6800は発揮してくれると考えていいだろう。
ゲームベンチマークになると、コストパフォーマンスの傾向はゲームによってかなり差が出てくるようだ。AquaMark3とFINALFANTASY XIの結果を見る限り、ノーマルGeForce 6800は健闘しているように思える。ただし、重負荷状態になると性能の差が開いてくるのは、3DMark03と同様。FINALFANTASY XIに関しても、GeForce 6800 Ultraでは頭打ちの状態で、下位のGPUとの差が出ないという事情も考慮する必要があるだろう。
TOMBRAIDERベンチマークの結果をみると、AquaMark3やFINALFANTASY XI以上に差が出ているのが分かる。それでも対性能比6割を維持しているので、コストパフォーマンス的には合格点といってもいいし、高負荷時における性能低下がほかのベンチマークに比べて少ないのも注目したいところだ。
今回、機材と時間の関係で従来機種のGeForce FX 5950などとの比較ができなかったが、以前紹介した西川善司氏が行ったベンチマークの結果をみると、アンチエイリアシングや異方向フィルタリングの条件は異なるものの、ノーマルGeForce 6800のパフォーマンスは、GeForce FX 5950搭載カードとは一線を画していると考えていいだろう。NVIDIAがGeForce 6800シリーズでアピールしている「低クロックで高性能」が真実であることも、今回のベンチマークの結果は物語っているといえる。
最上位GPUのGeForce 6800 Ultraとは、はっきりとしたパフォーマンスの相違があるものの、そのパフォーマンスは価格差以上の成績を示し、従来のGeForce FX 5950とくらべても、その実力差は歴然であるノーマルGeForce 6800。予算がままならない「お父さん」ユーザーにとって、十分満足できる「ちょい安」ハイエンドGPUということがいえるのではないだろうか。
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