LonghornはMedia CenterとTablet PCを飲み込む?

» 2005年01月13日 18時15分 公開
[IDG Japan]
IDG

 米Microsoftは次期版Windows「Longhorn」から「Home」「Pro」を取る計画だ。さらに、現行のWindows XP Media CenterエディションとTablet PCエディションの機能を含む単一の製品をリリースすることを考えている。

 同社担当者はLonghornの多くの機能についていまだに詳細を伏せているが、向こう数カ月以内に最初のβリリースを予定し、主要コンポーネントが決まったことで、これまでよりも情報の公開に前向きになっている。

 例えばMicrosoftは、Windows XPで家庭用とオフィス用のバージョンを区別するために導入したHomeとProという呼び名は、十分な説明になっていないと判断した。Longhornにもコンシューマー向けとビジネス向けのバージョンがあるが、命名の仕方は変更される。

 「もっと正確に製品を表す、もっとフレンドリーな名称がわれわれの大きな関心となるだろう」とWindowsクライアント消費者マーケティングディレクター、ブラッド・ブルックス氏。「われわれがコンシューマー側とビジネス側でやっていることが、非常に明確に区別されるようになる」

 同氏は先週のInternational Consumer Electronics Show(CES)での取材で、Longhornの名称に関する計画についてそれ以上のことは語らなかったが、同OSが「Windows」と呼ばれることは認めた。「アイデアはたくさんあるが、それを話せる段階ではない」

 MicrosoftはLonghornのパッケージングに取り組みながら、Media CenterとTablet PCの機能を同OSに加えることを検討している。現行のWindows XP Media Center EditionとWindows XP Tablet PC Editionは別個の製品だ。

 Media CenterとTablet PCの機能を基本的なWindowsに組み込めば、リッチで柔軟なユーザー体験を実現できるとブルックス氏は語る。例えば、ハイエンドノートPCをドッキングステーションに差し込んだ時にはMedia Center PCとして使い、取り外した時にはTablet PCとして使うといったことができるだろうと同氏は説明している。

 Media Center PCは家庭のエンターテインメントハブとして設計されている。家中のTVにメディアコンテンツを配信することができ、デジタルビデオレコーダー(DVR)機能も備える。Tablet PC機能はノートPC向けに設計されており、ユーザーはペンを使ってタッチスクリーンにデータを入力できる。Tablet PCとMedia Centerの機能を組み合わせたものは現時点では存在していない。

 異なるモードへの切り替えは自動的に行われるべきだとブルックス氏は言う。同氏は、システムをドッキングステーションから外した時に、ユーザーが何の操作もしなくても、ユーザーインタフェースが変更され、より効率的な電源管理が開始され、画面解像度がモバイルディスプレイに合わせて調整されるべきだと語る。

 しかし、基本的なOSにすべての機能を盛り込むと、ユーザーがOSインストール時に、想定しているPCの使い道に応じて、インストールする機能を選ばなくてはならないだろう。「ユーザーが幾つかの質問に答えれば、後はOSが自分で調整する」とブルックス氏。

 PCベンダーやIT部門が、さまざまな利用モデルに合わせて新しいPCのOSをカスタマイズできるとも同氏は話す。

 「これは思考を駆り立てるものだ」(同氏)

 Longhornクライアントの仮アイデアの幾つかは、Microsoftがサーバ版Longhorn(2007年登場予定)について明らかにしている計画と似ている。Windows Serverの次期版で、同社はサーバタスクに合わせて異なるバージョンを販売するよりも、顧客が特定のタスク似合わせて構成を設定できるようにする予定だ。

 ブルックス氏によると、Microsoftは今年半ば(7〜8月)頃にLonghornの搭載機能を詳しく明らかにする予定。そのときには、Media CenterとTablet PCを引き続き別のエディションとして提供するのか、これらエディションの機能が中核のLonghorn製品に吸収されるのかも明かされる。

 Microsoft幹部が「これまでリリースした中で最も重要なWindowsの1つ」と呼ぶLonghornのさらなる詳細については、4月に予定されているWindows Hardware Engineering Conference(WinHEC)で公表される見込み。同OSの正式版は来年末に出荷される予定だ。

Copyright(C) IDG Japan, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年05月10日 更新
  1. 新型「iPad Pro」がM3チップをスキップした理由 現地でM4チップ搭載モデルと「iPad Air」に触れて驚いたこと (2024年05月09日)
  2. 個人が「Excel」や「Word」でCopilotを活用する方法は? (2024年05月08日)
  3. 「M4チップ」と「第10世代iPad」こそがAppleスペシャルイベントの真のスターかもしれない (2024年05月10日)
  4. M4チップ登場! 初代iPad Proの10倍、前世代比でも最大4倍速くなったApple Silicon (2024年05月08日)
  5. Core Ultra 9を搭載した4型ディスプレイ&Webカメラ付きミニPC「AtomMan X7 Ti」がMinisforumから登場 (2024年05月08日)
  6. NECプラットフォームズ、Wi-Fi 6E対応のホーム無線LANルーター「Aterm WX5400T6」 (2024年05月09日)
  7. SSDの“引っ越し”プラスαの価値がある! 税込み1万円前後のセンチュリー「M.2 NVMe SSDクローンBOX」を使ってみる【前編】 (2024年05月06日)
  8. iPad向け「Final Cut Pro 2」「Logic Pro 2」登場 ライブマルチカム対応「Final Cut Camera」アプリは無料公開 (2024年05月08日)
  9. これは“iPad SE”なのか? 新型iPadを試して分かった「無印は基準機」という位置付けとシリーズの新たな幕開け (2022年10月24日)
  10. “NEXT GIGA”に向けた各社の取り組みやいかに?──日本最大の教育関連展示会「EDIX 東京」に出展していたPCメーカーのブースレポート (2024年05月09日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー