PCがあれば「テレビはいらない」はずだったのにPCUPdate Weekly Access Top10

» 2005年02月15日 20時06分 公開
[長浜和也,ITmedia]

 テレビが見られてあたりまえ。テレビが録れてあたりまえ。多発同時録画もあたりまえ。キャプチャーカードを組み込んでしまえば、テレビに関することは何でもできてしまうのが最近のPCだ(権利が絡んでくるなにかとややっこしいことでも、いろいろと技があるようで)。

 そういうわけで、国産PCは家電で鍛えた高画質で勝負!というのが今年の「春モデル」で各メーカーが力強くアピールするところである。

 しかし、今回のアクセストップを飾ったGV-MVP/GXなど、キャプチャーカードのレベルでも高画質回路を組み込み、受信したテレビ番組を美しく表示できるようになってきた。

 キャプチャーカードで実現できる、ということは、そのパーツを搭載することで、海外(そして生産コストを抑えられる国々)のPCメーカーでも、国産PCと同様に「高画質でテレビ番組を表示できる」とうたうことができるようになる(一部の国産PCでもこれらのキャプチャーカードを搭載して「高画質を実現」とアピールしているわけだから)。

 それに負けないように、大画面高画質テレビのノウハウを持つ国内メーカーでは、その技術を生かしたPC用ディスプレイを市場に投入して「PC&ディスプレイ」で差別化を図ろうとしている。

 かように「テレビ関連機能に活路を見出すPC業界」という構図は今年も盛り上がりを見せているのだが……

「そろそろテレビ以外のネタでPCを遊んでみませんか」

 家電じゃ「まだまだ」できないことを、パーツとソフトと体力で実現して(それは必ずしも「生活に」「仕事に」役に立つ実用レベルのものではないのだが)、「ふふーん」とちょっと得意になっちゃうあたりに、PCで遊ぶ面白味があったのではないかと。

 少数のPCユーザーが先を走って、家電(とそれを使う大多数)がその後を追っかけてくるのが「か・い・か・ん」だったわけで、PCが家電の後を追いかけるようになってしまったら、「わざわざPCを使う意味ないじゃ〜ん」とLifeStyleのスタッフに突っ込まれても「いやはや、まったく、ごもっともごもっとも」なのである。

 PCと商用Webサイトが今まさに普及しようというときに、メディア評論家たちが「PCとWebコンテンツが、つまらないテレビを駆逐する。テレビなんかもういらないのじゃ〜」と声高にアジっていたが、いまや、PCは「テレビを快適に活用するため機能」を競っていたりする。

 「売り上げを伸ばして市場で勝利する」というビジネス誌的な価値観ならば、それは正しい道なのだろうけど、そういう「堅実だけどクソつまらない」ことより、PCで遊んで「ふふーん」と鼻を鳴らしてみたい私は、「ふらふらしていないで、もっと地に足がついた人生を歩みなさい」といまだに親からお説教をくらっている(実話)。

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