謎の中国HDD「Excelstor」で「中国製硬盤」に思いをはせる山谷剛史の「アジアン・アイティー」(2/2 ページ)

» 2006年06月14日 11時04分 公開
[山谷剛史,ITmedia]
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未知の中華HDDをベンチマークで検証する

 日本未発売の中国メーカーのHDDの実力はいかなるものか? ベンチマークでその性能を検証してみた。テスト環境は以前筆者が中国で購入したレノボのデスクトップPCで、そのスペックはCPUにSempron 2200+、メモリがPC3200 DDR SDRAM 512Mバイト。入れているOSはWindows XP HomeEdition 中国語版だ。

WinBench99
Business Disk WinMark 99 (Thousand Bytes/Sec)7670
High-End Disk Winmark 99 (Thousand Bytes/Sec)25000
Disk Access Time (Milliseconds)13.1
Disk CPU Utilization (Percent Used)3.56
Disk Playback/Bus:Overall (Thousand Bytes/Sec)7670
Disk Playback/HE:Overall (Thousand Bytes/Sec)25000
Disk Transfer Rate:Beginning (Thousand Bytes/Sec)59600
Disk Transfer Rate:End (Thousand Bytes/Sec)32800

HDBENCH(Ver.3.40 beta6)
Read59020KB/sec
Write57951KB/sec
RandomRead19047KB/sec
RandomWrite20800KB/sec

Sandra2007
Drive Index51MB
Random Access7ms
Drive Index144MB/s
Random Access Time10ms
Drive Index132MB/s

 日本でも知られているHDDメーカーのHDDと比べてみると、Sandra2007の結果では、マックストアのDiamondMax9とほぼ同じ値になる。DiamondMaxファミリーの現行機種がDiamondMax11なので、2世代前の機種と同程度のパフォーマンスともいえる。現在、中国市場で売られている競合メーカーのHDDと比べると性能は低く容量は少なく、だが価格はわずかに安いJUPITERは「高パフォーマンスを望まず少しでも低価格のHDDを選びたいユーザー」をターゲットにした製品といえる。

実を言うと中国では2.5インチHDDが人気かもしれない

 HGST(日立)、マックストア(中国語名:辺拓)、シーゲイト(同:希捷)、ウエスタンデジタル(同:西部数据)、Samsung(同:三星)のHDDは、電脳街の小さな店の店頭でちょくちょく見かけたが、Excelstorはほぼ全滅といっていいほど売っていない。筆者が滞在する街の電脳街でExcelstorのHDDを扱っていたのは1店のみで、しかもその店でも1モデルしか置いていない。中国のPCメディアで掲載されているアセンブリパーツの最新価格表でも、著名HDDメーカーの名前はあれどExcelstorは名前すら載っていない。中国期待のHDDメーカーであるがリテール市場では競合他社に大きく水をあけられている。レノボ(聯想)、ファウンダー(方正)など、大手中国PCメーカーにしてもExcelstorのHDDを採用していない。ExcelstorのWebページや販売代理店では「国産!」と誇らしげにうたっているが、デジカメやケータイと同様、外国メーカーの競合製品に太刀打ちできていない現実がある。

 ところで中国の庶民的視点から見たHDD事情はどうなっているのだろうか。中国の電脳街にある電脳ビルのそのまた中にある店舗は数人しか入れない小さなスペースの周りやガラスケースの中に、「どうやったらそんなに詰め込めるのですか?」というぐらい多種多様な製品を並べている。電脳ビル内の多くの店が狭苦しいスペースに、ジャンルを問わず売れそうなPC関連製品をそろえている。その品ぞろえにこだわりはない。

 そういった店でたいてい扱っているのが「USBメモリ」を筆頭に「MP3プレーヤー」「光学メディア」「Webカメラ」「キーボード」となる。そしてその次くらいに多いのが「2.5インチのHDDケース」なのだ。中国の電脳街がデザインが異なる「中国産の」USBメモリやMP3プレーヤーであふれているように、2.5インチのHDDケースもさまざまなデザインで“これでもかっ!”と膨大な数のメーカーから出荷されている。2.5インチのHDDも、2.5インチHDDケースないけれど、それでも3.5インチHDDよりははっきり分かるほど多くの店で販売されている。

 改めていうことでもないが、3.5インチHDDのリムーバブルドライブと2.5インチHDDのそれを比べると、2.5インチの長所はUSBから電力を供給できサイズが小さいことになる。そして短所は容量が少ないこと。でも中国のデスクトップPCにはTV録画できる製品が少なく、ユーザーも録画のニーズが少ない現状で、100Gバイト以上(ましてやテラバイト級なんて“天文学的”)の大きなメディアは中国のPCユーザーには多すぎる。実際、多くの中国メーカーのデスクトップPCのHDD容量は40Gバイトから80Gバイト程度。PCに金をかけているユーザーは多いのだから「金がないから3.5インチの大容量のHDDが買えない」のではない。Excelstorは、そんなPCユーザーのお膝元中国にあるHDDメーカーだからこそ、今も最大80Gバイトという小容量で安価なHDDを生産し続けるのであった。

電脳街のビルには小間物ショップが“ぎゅうぎゅう”と並ぶ
電脳街の商店のガラスケースの中にこれまた“ぎゅうぎゅう”と並ぶポータブルHDDケース
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