マイクロソフトは11月21日、Windows Vista日本語版についての記者説明会を開催し、Vista日本語版リリースに向けての施策を明らかにした。同社Windows本部長のジェイ・ジェイミソン氏は、米国時間11月8日にWindows Vistaの開発が完了したことをアピールし、これまでの開発プロセスを振り返ったうえで、11月30日の企業向けライセンス提供、2007年1月30日の一般ユーザー向け販売を控え、Vista対応製品の拡充と互換性確保を推進していくと説明した。そして新たな2つの施策として、「Windows Vista対応支援センター」と「Windows Vista Enterpriseアップグレードキャンペーン」を展開すると発表した。
2つの施策の内容は、同社Windows本部Windows OSマーケティング部の中川哲氏が解説した。Windows Vista対応支援センターとは、主に開発者がVistaに対応するハードウェアおよびソフトウェアを提供できるように、マイクロソフトが展開するさまざまな支援サービスのことだ。ポータルサイトの「Windows Vista対応支援センターサイト」を12月1日より開設するほか、互換性ツールを用いた無償トレーニングを11月30日から全国7カ所で実施する。12月下旬には、各メーカーのソフトとVistaの互換性検証作業を支援するラボを東京都調布市の同社調布技術センターに開設する予定だ。さらに2007年1月をめどに、互換性の確認や診断を行うツール「Application Compatibility Toolkit 5.0」を技術者向けのTecnNetサイトで提供する。
またマイクロソフトは、Vistaへのアップグレードを検討中のユーザー向けに、PC、周辺機器、ソフトウェアのVistaとの互換性情報を集約したWebサイト「Windows Vista互換性情報サイト」を公開したと発表した。同サイトでは、Vistaが標準でサポートする周辺機器の情報や、各社の対応情報へのリンクなどを掲載している。さらに、Windows XP搭載PCをVistaにアップグレードする場合、最適なVistaのエディションや、追加が必要なハードウェアの有無を診断できるツール「Windows Vista Upgrade Advisor」もGet Readyサイトで配布されている。同ツールは現状で英語版のみの提供だが、2007年1月をめどに日本語版が提供される予定だ。
Windows Vista Enterpriseアップグレードキャンペーンとは、企業向けボリュームライセンスプログラムのOpen License/Open Valueにおいて、Vista Enterpriseへのアップグレード権や自宅でのアプリケーション使用権、eラーニングなど、さまざまな特典が受けられる「ソフトウェアアシュアランス」(SA)を2007年1月1日〜3月末の期間限定で、約33%割引の優待価格で提供するというものだ。10月1日〜2007年3月末の期間にWindows XP Professional搭載PCを購入した250台までのPCを保有するユーザーが対象になる。
Windows Vista Enterpriseはソフトウェアアシュアランスで提供される企業向けの上位エディションで、ほかのエディションと異なり店頭販売は行われない。企業向けエントリーエディションのWindows Vista Businessの全機能に加えて、ハードウェアベースの暗号化によるデータ保護機能「Windows BitLocker Drive Encryption」や、UNIXアプリケーションをWindows Vista上で稼働できるSUA(Subsystem for Unix-based Applications)、4つの仮想OSを使用するためのライセンス、多言語ユーザーインタフェースを利用できる。
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