既報のように、iPhoneはMac OS Xをベースにしており、Safariやメーラーといった基本アプリケーションに加えてウィジットも動作する(ただし、後のインタビューによると、サードパーティ製アプリケーションの利用は難しいかもしれない。また、新しいアーキテクチャを採用したであろうIntel製CPUも気になるところだ)。
デモンストレーションの中でジョブズ氏がiPhoneを動かすたびに聴衆は歓声をあげる。ちょっと怖くなるくらいだ。
バッテリ駆動時間(動画再生は5時間、音楽再生が16時間)に言及したときは会場から軽いため息が漏れたが、ジョブズ氏によるiPhoneのデモは聴衆を完全に魅了し、iPhoneは大きな賞賛を持ってむかえられた(少なくとも日本のファンを除いて)。その後、提携パートナーであるGoogleのエリック・シュミット氏、Yahoo!のジェリー・ヤン氏がそれぞれ登壇して祝辞を述べた(ああ、それと素晴らしいスピーチで聴衆の眠気を誘ったCingularのCEO、スタン・シグマン氏もいたようだ)。
今回の基調講演で発表された製品は予想よりも少なく、'07となるはずのiLifeとiWorksの次期バージョンのアナウンスもなく、次期OS「Leopard」(レパード)の続報もなく、お決まりの“One more thing”さえない、例年とはまったく異なる内容だった。しかし会場内は興奮と熱気で、ある種異様な雰囲気を醸し出していた。
そして最後のアップデートは、Apple Computerに関してのもの。同社の製品ラインアップで“コンピュータ”にあたるのはMacのみだが、「Mac」「iPod」「Apple TV」「iPhone」の4つを挙げて、Apple ComputerはComputerを販売するだけの会社ではないという考えを反映したただの“Apple”になると発表した。
最後にジョブズ氏は総立ちの聴衆の拍手の中、iPhoneの開発スタッフや家族に感謝を述べ、基調講演の幕を閉じた。
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