nForce 680i LT SLIは、その型番からも想像できるように、インテル向けプラットフォームのチップセット「nForce 680i SLI」のエントリーモデルで、すでに発表されている「nForce 650i SLI」の上位に位置する。n発表時に予想される搭載マザーボードの実売価格はnForce 680i SLIが249ドル、nForce 650i SLIが130ドルであったのに対してnForce 680i LT SLI搭載マザーは199ドルとされている。
nForce 680i LT SLIがサポートする最大FSBクロックは、nForce 680i LT SLIと同じ1333MHzだが、メモリバスクロックはDDR2の800MHzと、nForce 680i SLIの1200MHzより抑えられている。最大メモリ容量は8GバイトとこちらはnForce 680i SLIと同様。また、メモリのオーバークロック自動設定を可能にする「EPP」にも対応する。
Serial ATAはnForce 680i SLIと同じ6ポートでeSATAもサポートする。USB 2.0は8ポート、ギガビットLANコントローラは1つとこれらは数が減っている。また、グラフィックスカード用のスロットとして用意されていた「3つめのPCI Express X16スロット」(レーンはX8)もnForce 680i LT SLIではサポートされない。
nForce 680i LT SLI | nForce 680i SLI | nForce 650i SLI | |
予想実売価格 | 199ドル | 249ドル+ | 130ドル+ |
対象ユーザー | Extreme Gamer | Hardcore Enthusiast | Power Gamer |
冷却機構 | Active | Heatpipe(optional fan) | Active |
NVIDIA SLI | Yes (2x16) | Yes (2x16) | Yes (2x16) |
3rd PCI Express x16 | No | Yes | No |
FSB | 1333MHz | 1333MHz | 1066MHz |
SLI-Ready Memory | 800MHz | 1200MHz | 800MHz |
SATA | 6 (eSATA-ready) | 6 (eSATA-ready) | 4 |
ギガビットLANコントローラ | 1 | 2 | 1 |
USB 2.0 | 8 | 10 | 8 |
IEEE 1394 | 2 | 2 | − |
nForce 680i SLIに実装されていた強力なオーバークロック機能はnForce 680i LT SLIにも用意されている。先ほど紹介したFSBとメモリクロックもオーバークロックによって実現可能とされている値だ。BIOSで設定するオーバークロックメニュー「NV BIOS」やWindows上でオーバークロック設定を行えるユーティリティ「nTune」も用意される。FSBとメモリクロックを別個に設定できるなど、実装されているオーバークロックの設定項目の種類や内容はnForce 680i SLIとほぼ同様であるが、先ほども紹介したようにメモリに対するオーバークロックの上限がnForce 680i SLIより抑えられているのが両者の違いとなる。
nForce 680i LT SLIは、nForce 680i SLIで導入された「Designed by NVIDIA」を取り入れている。これは、NVIDIAがマザーボードのデザインを行うだけでなく、マザーボードベンダーに対して、ボードやユーティリティ、ドライバの供給まで行うプログラムだ。「Desined by NVIDIA」のパートナーとなったベンダーは、供給されたマザーボードに対して独自の機能を実装したり自前のドライバを添付したりできなくなるが、その代わりにパッケージに「Designed by NVIDIA」のロゴステッカーを貼ることが許される。このステッカーを貼ることによって、NVIDIAによって最適化されたNVIDIA SLIのパフォーマンスやNVIDIAは管理する製品品質をユーザーに対して示すことができるとNVIDIAでは説明している。
なお、nForce 680i SLIと同様に、Desinged by NVIDIAロゴ利用はマザーボードベンダーが選択できる。ロゴをパッケージに貼付しない代わりに、ベンダーが独自機能を実装したりオリジナルの冷却ユニットやユーティリティを開発したりてきるようになる。実際、大手マザーボードベンダーは独自で生産した製品を投入する予定で、日本ではシネックスが扱うXFX(PINE Technologies)のマザーボードがDesigned by NVIDIAのロゴをつけた唯一の製品となる見込みだ。
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