7月第1週に、RADEON HD 2000の中位シリーズ「RADEON HD 2600 XT/PRO」を搭載したグラフィックスカードが出回り始めた。シリーズ上位の2600 XT搭載カードは2万円台前半で売られており、RADEONシリーズの中では断トツの人気を誇る。特にDDR4メモリを採用したモデルが注目されており、翌週までは品薄な状況が続いた。
RADEON HD 2600について、「RADEON HD 2000シリーズで、AMDが最も力を入れたGPUですね。最上位の2900 XTよりも優れたUVD(Universal Video Decoder)機能を備え、値段も安い。ゲーマーにもAVユーザーにも勧められます」(T-ZONE.PC DIY SHOP)と、好意的に語るショップは多かった。その期待に沿うように、RADEON HD 2000シリーズ全体の人気も牽引し、ミドルレンジ以下のラインアップでは、GeForeceシリーズよりも好調な売れ行きを記録するショップも少なくない。
ただ、CPUと同じく、GPUでもハイエンド不在を嘆く声が聞かれた。某ショップは「ミドルレンジで売れるのはいいですが、やはりハイエンドで競わないとだめです。RADEON HD 2900 XTXを投入して、GeForce 8800 GTXに対抗してほしいですよ」と、噂すら流れてこない未発表のGPUに期待する。
7月はグラフィックスやビデオキャプチャ関連で注目を集めたモデルが多数登場している。第2週には、アイ・オー・データ機器のグラフィックスアダプタ「USB-RGB」が各ショップに入荷した。PCのUSB 2.0ポートに接続してアナログRGB出力できるアイテムで、最大1400×1050ドットの表示が可能。外付けタイプではめずらしく、動画再生にも対応しており、「3Dゲーム以外なら、もたつきなく操作できます」(T-ZONE.PC DIY SHOP)という。
第4週には、D4入力端子経由でハイビジョン映像を表示できる、PCI-Express x1接続のビデオ入力アダプタ「Monster X」が登場。仕様上は、映像の表示のみで録画はできないことになっているが、基板のある部分にキズを付けてレジストリを変更することにより、ビデオキャプチャ機能が有効になるとの情報が発売当日から出回っていた。
著作権保護が適用されたハイビジョン映像を録画できるカードは現在出回っておらず、発売当日から多数のユーザーが殺到。このため、7月末現在ではほぼ入手不可能な状況になっている。
また、著作権保護が適用された映像ソースは対象外となるが、HDMI入力でのビデオキャプチャに対応した拡張カードもMonster Xと同時期に出回っている。カノープスの「HDRECS」で、HDMIとDVI、コンポーネント、Sビデオ、アナログRGBでの映像入力に対応している。フルハイビジョンでの録画が可能で、HDカムなどの映像をPCに取り込み、BD-Rドライブ経由でBlu-ray Discなどに書き出すことができる。約10万円の高価な製品だけあって様子見するユーザーは多いが、「カノープスファンが、久々の新製品とあって、喜々として買っていきました」(某ショップ)という。
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