プロフェッショナルやハイアマチュア層に向けた「プロセレクション」シリーズのA3対応インクジェットプリンタ「PX-G5300」も投入された。PX-G5300は従来機の「PX-G5100」と同様、顔料8色構成のPX-Gインクを搭載するが、従来機のブルーインクをオレンジインクに変更するとともに、そのほかのインクの色調もオレンジインクとのバランスを考慮して最適化している。また、紙の表面に光沢感を与える透明樹脂のグロスオプティマイザも改良され、光沢性と耐擦性が向上した。
エプソンと米ロチェスター工科大学のマンセル研究所が共同で基礎開発した「LCCS」(Logial Color Conversion System)を初めて採用したのも特徴だ。LCCSでは、印刷時に参照するルックアットテーブル(どのインクをどれくらい使うかを決定するデータテーブル)を数式アルゴリズムによる論理的なワークフローで作成する。これにより、光源による発色依存(カラーインコンスタンシー)の低減、階調性の向上、色再現域の拡張、粒状感の低減といった要素を最適化して印刷できるという。
最後はエプソン販売の代表取締役社長である平野精一氏が、年末商戦に向けての販売戦略を紹介した。同氏は「デジタルカメラの市場は継続的に拡大しており、写真用紙の販売数も増加している一方、デジタルカメラの新規購入層はプリンタの保有率が低く、店頭プリントサービスの利用率が高い傾向にある」との調査結果を示し、「コンシューマー向けのインクジェットプリンタは、画質がよくない、操作が面倒、長持ちしない、といった誤解をしている人がまだまだ多い」と現状での問題点を挙げた。
これに対して、エプソンは普段プリントをしない層と店頭プリントサービスを利用している層の獲得を狙う。同氏は「普段プリントをしない層は、ハードウェアに興味がないため、プリンタ自体のプロモートをしても効果的ではない」とし、こうした層を取り込むために「“プリンタ”のプロモーションではなく、“プリント”のプロモーションをしたい」と述べた。
具体的には「じぶんを、出そう」という共通のキーワードを掲げたうえで、製品ターゲットとして、30〜40代主婦、50〜60代団塊世代、20〜30代独身女性の3つの世代を想定し、それぞれに向けたプロモーションを行う。CMキャラクターには、各世代に影響力を持つタレントを新たに起用し、新モデルを訴求していく。
同日開催されたCMキャラクターに関する記者発表会では、女優の長澤まさみさん、俳優の中尾彬さん、水中写真家の中村征夫さん、お笑い芸人の友近さん、ムード歌謡ネタで知られるムーディ勝山さんが登場し、プリンタの利用についてトークセッションを行った。そのほか、女優の堀ちえみさん、元テニスプレーヤーの松岡修造さん、美容アドバイザーの佐伯チズさん、元F1ドライバーの中嶋悟さんがCMに出演している。
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