「GyaO」「Yahoo!動画」などの番組配信サービス、ネットテレビ。懐かしのアニメやグラビア系プロモーションビデオといった、地上波ではカバーできていないコンテンツも豊富で、ケーブルやCSの専門局的な魅力もある。WindowsからMacにスイッチしても使い続けたいサービスの1つだ。
ネットテレビは、その多くがWMV(Windows Media Video)形式のストリーミング配信で運用されている。ということはWMV再生のQuickTimeプラグイン「Perian」をインストールすれば、Mac OS Xの標準ブラウザ「Safari」でアクセスして視聴できるようになるはず。はずなのだが……実際やってみると視聴できない。

GyaOにMacでアクセスすると、本来番組が表示されるはずの場所がただの黒スペースになってしまう(画面=左)。Yahoo!動画で「ニルスのふしぎな旅」を見て何か大切なものを取り戻そうとしても、視聴環境の壁にはばまれて取り戻せない(画面=右)改めてGyaOとYahoo!動画の視聴環境を確認してみると、たしかにWindows 2000/XP/Vistaにしか対応していない。加えて、WebブラウザはInternet Explorer 6以上、Microsoft Windows Media Player 9以上も必要とされている。
しかし、ブラウザはウェブ標準に準拠していればどのブラウザでもよさそうなものだし、WMV再生ならWindows Media PlayerでなくFlip4Macでもいいはず。Macで視聴できない理由は何なのだろう?
その最大の壁はDRMへの対応だ。Flip4MacはWindows Media技術に含まれる著作権保護技術「Windows Media DRM」に対応していない。GyaOもYahoo!動画もコンテンツ保護のためにWindows DRMを採用しているので、Flip4Macでは視聴できない。動画ダウンロード販売も同じくDRMを採用しており、例えば、DMMから購入した動画はFlip4Macでは再生できない。また、細かい点を挙げると、Yahoo!動画の視聴にはActiveXコントロールも必要で、これもMac(Safari)では対応できない。どうしろって言うのさ。
「Macでいいじゃん!」と言ってしまった手前、非常に不本意ではあるが、こうなったらWindowsを使うしかない。いやいやWindowsを使うと言ってもWindows PCを使うわけではなく、Mac上でWindowsを動かし、その中でGyaOやYahoo!動画を視聴するのだ。
Intel Macなら「Parallels」や「VMware Fusion」などの仮想環境ソフトを使えば、Mac OS Xを起動したまま、その上でWindowsを起動し、ネットテレビを視聴できる。試用版を無料でダウンロードできるので試してみよう。といってもWindows 2000/XP/Vistaは別途購入する必要があるのだけれど。なお、Boot CampはMac OS Xと同時起動できず、メールやブラウジングなどの日常的な作業と共存ができないので、この場合はオススメしにくい。
最後に、今後チェックしておくべき情報が出てきているので紹介しておく。それはGyaOのSilverlight対応への動きだ。詳しくはこちらの記事を参照してほしい。こう書いても参照しない人のために一言で説明すると、とにかくMacでのGyaO視聴にも可能性が見えてきたということだ。「もうニコ動でいいよ!」なんて言わずに期待して待っておこう。
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