2007年は衝動買いで富士通の「LOOX U」を買ってはみたものの、「音引き」を入力するにも特殊なキー入力操作が必要でまったくなじめず、早々に手放したりした苦い経験をした年だった。
その後、店頭で見かけたアップルのずうたいの割に低価格なiMacでも買って、Windowsでも導入しようか……なんて考えていた矢先に、友人から年初のMacWorldで超軽量モバイルマシンが発表されたと聞いた。
今ではPCにほとんどコダワリのないただのVAIOユーザーだが、前の会社でPowerBook 2400cの次機種の企画に関わりかけたことがあった。マニアックな人ならご存知かもしれないが、PowerBook 2400cは、当時、某PCメーカーが出荷していたサブノートPCをベースに開発されたマシンだった。当時も今も日本のアップルは商品企画にはほぼ無縁で、そのマシンの“モッコリ”感も西海岸クパチーノ辺りの人たちの趣味だったと記憶している。もっと面白い話も一杯あるがここでは割愛しよう。
その後にも紆余曲折あったが、最終的にアップルのOSライセンスビジネスには見直しが入りMac互換機は自然消滅、そして現在のDOS/V互換機+Windowsワールドとアップル1社がMac OSを搭載したマシンを販売するという図式が定着したのだった。世界市場をみた場合、Windows勢が90%以上を占めると思われる昨今だが、今思うと、同社の選択は正しかったように思える。
筆者が生まれて初めて買ったアップルのマシンは「Macintosh Plus」。まだコロコロした漢字が不器用に小さなモノクロ画面上に表示される、70万円近くしたフロッピーだけのモデルだった。その後、何を考えたか販売価格が約半額になり、かなりの台数を出荷したようだった。当時はまだまだ市販ソフトが少なく、今でいうフリーウェアが楽しみのマイナーな機種だった。趣味と実益を兼ねて、日本ではお目にかかれない楽しい海外フリーウェアの紹介記事を「MACLIFE」誌に何年か渡って毎月連載した。
その後、バブル期に発売された某Macのフルセットを、今ならMacBook AirのSSDモデルが3台以上購入できる不条理な価格で衝動買いし、長い60回ローンで苦しんだ経験もあった。VGA解像度のフルカラーを出すだけの他社製ビデオカードが30万円もした恐ろしい時代だった。
筆者は新しいモノに慣れてくると、何か古いものが恋しくなる悪い性格をしている。当時、米国に在住していた友人から大学で使用していたLisa2が他機種との入れ替えで放出されるというニュースを聞いて、超高額の郵送料+αという価格で、当時としては少し容量の大きなHDDにMac OSが導入されたLisa2をしばらく使った。漢字の表示も可能な筆者の改造したLisa2は、きっと今も、東北地方の某私設パソコン博物館の中に保管されているだろう。
そして、約15年ぶりのアップルマシンとなる「MacBook Air」を買ってしまった。低価格路線になってからの同社製品を一度も買ったことのない筆者にとっては、皮肉にも今までのMacで一番安い製品と映ってしまう。普通ならHDDモデルを購入するところだが、某社から発売されていた日本初の1.8インチHDDを導入したサブノートを使っていた経験からHDDアクセススピードに多少の不安があり、結局、64GバイトSSDを搭載したモデルを購入した。1.8インチHDDに筆者が抱いている懸念は既に技術的に解決しているかもしれないし、WindowsではなくMac OSなら、心配しなくてもよかった問題なのかもしれないが、今は、深夜でも騒音が無く、静かなSSDモデルをとても気に入っている。
MacBook Air導入に際しては、現在は「VAIO type G」で行っている原稿書きやプレゼンテーション作成、インターネットアクセスやEメール、初級〜中級クラスの表計算作製/活用などが同様にできないと困ってしまう。MacBook Airが届いた翌日には秋葉原に行き、Windows XPのリテールパッケージやATOK、アップルのオフィス統合ソフトである「iWork」もチャレンジとして購入した。そして、15年ぶりのマックということもあり、書店に並んでいたLeopard関連の特集がされている雑誌や、Boot Campを使用してのWindows環境の構築本など2〜3冊を買い込んで帰宅した。
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