nForce 780a SLIで使える「GeForce Boost」ってなに?イマドキのイタモノ(2/2 ページ)

» 2008年05月07日 14時30分 公開
[笠原一輝,ITmedia]
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10ワットの消費電力アップで3D描画性能が2倍に

 GeForce Boostの機能を有効にするには、BIOSセットアッププログラムで、Hybrid SLIの機能を有効にして、ディスプレイをマザーボード側に用意された画像出力に接続する必要がある。この状態で、Hybrid SLIに対応したグラフィックスドライバを適用すると、タスクバーの通知領域にHybrid SLIのアイコンが表示される。この「Boost Performance」と「Additional Display」という2つの選択肢のうち「Boost Performance」を選べばGeForce Boostの機能が有効になる。

Hybrid SLI対応のグラフィックスドライバを適用して、外付けグラフィックスカードを組み込むと、画像出力モードが選択できるようになる
Boost Performanceを選ぶことで、内蔵グラフィックスコアを外付けグラフィックスカードを連動して使えるようになる

Crysis GPU Benchmark(DirectX 9)
Doom 3 timedemo demo1

3DMark06 3DMarks
3DMark06 Game Test詳細

アイドル時と3DMark06 Game1における消費電力

 内蔵グラフィックスコアだけの測定結果とHybrid Boostを有効にした測定結果を比較すると、すべてのベンチマークテストでほぼ倍の性能向上を実現しているのが分かる。消費電力の結果では、アイドル状態の消費電力には差がないのに、3DMark06 Game1の動作時で10ワット程度の違いが見られた。ただ、単体GPUを追加したと考えれば妥当な値である。従来であれば、使われていない内蔵GPUの電力が無駄になっていたことを考えれば、許容範囲内だろう。

少ない投資で性能を強化できるGeForce Boost

 nForce 780a SLIとGeForce 8500 GTを組み合わせることで、3D描画性能は2倍ほど改善されることが分かった。今回紹介していないが、nForce 780a SLIはPCI Express x16の物理スロットを3本備えているので、3-way NVIDIA SLIも利用できる。ユーザーの計画として、

Step 1:nForce 780a SLIの内蔵グラフィックスコア

Step 2:GeForce 8500 GT/8400 GSを追加してGeForce Boostで利用

Step 3:3-way NVIDIA SLIによる3GPU構成やGeForce 9800 GX2を利用したクアッドGPU


 と段階的に拡張できることになる。購入のときは内蔵GPUだけで予算を低く抑え、次いでGeForce 8500 GTを追加してGeForce Boostで利用可能、夢はクアッドGPUと、スケーラブルに(同居人の目と家計をごまかしながら)アップグレードできることも不可能ではない(家計を握られている自作PCユーザーには願ってもないこと)。

 GeForce 8500 GTを搭載したグラフィックスカードは、6000円から7000円で程度購入できるなど、非常に安価になっているし、GeForce 8400 GSに至っては5千円以下で購入できる。アップグレードにかかる費用と、それで実現する性能向上のバランスを比べると、GeForce Boostのコストパフォーマンスは高いといえるのではないだろうか。

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