バーグマン氏は「我々のRV770は55ナノメートルプロセスルールで製造される。65ナノメートルで製造されるNVIDIAのGeForce GTX 200シリーズと比較してダイサイズは半分になる。それなのに、GeForce GTX 200シリーズではサポートされていないGDDR5やDirect3D 10.1に対応しているなどのアドバンテージがあるだけでなく、Radeon HD 4850の消費電力は110ワットでシングルスロットサイズのカードに収まっている。そして演算性能では彼らを超える1TFLOPSを実現する。ワット性能で1.95倍、ダイサイズあたりの性能で2.8倍になる」と、Radeon HD 4800シリーズが、NVIDIAのGeForce GTX 200シリーズをワット性能や効率などで大きく上回っていると自信を示した。
RV770 | GT200 | |
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プロセス技術 | 55ナノメートル | 65ナノメートル |
メモリ技術 | GDDR5 | GDDR3 |
アーキテクチャ | Direct3D 10.1 | Direct3D 10 |
ワット性能 | 1.95X | 1X |
ダイサイズあたりの性能 | 2.8X | 1X |
加えて、バーグマン氏は価格に関しても言及し、Radeon HD 4850は200ドル前後の価格設定になるという。なお、Radeon HD 4870はGeForce 9800 GTX対抗と位置づけていることを明らかにしているので、こちらの価格は300ドル前後に設定される可能性が高い。また、Radeon HD 4870は2スロット厚のカードになるとのことだ。
バーグマン氏は開発コード名で「R700」と呼ぶ、ハイエンドモデルに関しても、今後8週間程度で出荷することを明らかにした。R700はGeForce GTX 280やGeForce 9800 GX2に対抗する製品とだけ説明されており、価格は700ドル近くと予想されている。バーグマン氏は、COMPUTEX TAIPEI 2008で「R700では2つのチップを搭載する」と説明しているので、何らかの形でRV770を2つ搭載する、Radeon HD 3870 X2のようなグラフィックスカードになるものと考えられる。バーグマン氏によれば、R700も2スロット厚のサイズになるということだ。
この記事を執筆している時点において、RV770、R700に関してAMDが明らかにしているのは以上で、各モデルの搭載する統合型シェーダユニットの数やコアクロック、メモリクロック、パフォーマンスに関してはいまだ公開されていない。
バーグマン氏は「Radeon HD 4850が実現する1TFLOPSという性能は、前世代のRadeon HD 3870に比べて倍の処理能力になる。われわれは2001年にリリースしたRADEON 9700 PROで起こしたような新しいゲームの変革が、このRadeon HD 4800シリーズで起こせると考えている」と、ATI TechnologiesがNVIDIAから市場シェアを奪い取るきっかけとなったGPUを例に挙げ、Radeon HD 4800シリーズがそのときと同じような“嵐”を市場に起こすことができると述べているように、Radeon HD 4800シリーズの成功を信じて疑わない。
それが虚勢なのか、それとも本当にワット性能や効率でGeForce GTX 200シリーズを上回るものなのか、そのすべては6月25日に明らかになるだろう。
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