2002年にコンパックコンピュータと合併を果たしたヒューレット・パッカード。日本ではブランドの統廃合により消え去ってしまったコンパックコンピュータのPresarioシリーズだが、海外ではプレミアムモデルのPavilionシリーズ、低価格モデルのPresarioシリーズとしていまだ健在であり、特に学生向けの低価格モデルとして人気を博している。
しかし、安価なモデルだからといって侮ってはいけない。ベルリンのプレス向け発表会で公開された新Presarioは、上位シリーズの「HP Pavilion Notebook PC」で採用されている「HP Imprint」(HP Imprint 2 surface finish)を導入することで、見た目の高級感がグッと向上した。
今回登場した「Compaq Presario Notebook PC」は、15.4インチワイドあるいは14.1インチワイド液晶ディスプレイを搭載したCQ50とCQ40シリーズ、および14.1インチワイド液晶ディスプレイ採用のCQ45シリーズ、12.1インチワイド液晶ディスプレイのCQ20シリーズだ。特にCQ45は標準でTVチューナーをはじめ、HDMIやeSATA兼用USBポートを備え、オプションでBlu-ray Discドライブと外付けGPUを選ぶことも可能と、エンターテインメントを重視したモデルである。
現時点で詳細なスペックが明らかにされているのはCQ50のみだが、いずれのモデルもAMDプラットフォームを採用(CQ20はインテルモデルのみで、CQ45はインテルモデルもある)して低価格化を図っているのは共通のようだ。発売時期や価格については、それぞれの地域によるとしてプレスリリースでも明言を避けているが、CQ50のみ499米ドルからスタートで6月末からの投入が予定されている。
以前取り上げたVoodoo PCの新モデルは大きな反響があったが、筆者としてはPresarioシリーズも見逃せない製品と考える。海外のPresarioのカタログでは学生をターゲットにしたものが多いが、学生向けの低価格モデルとしておくには“もったいない”と感じるからだ。もちろん、HPが日本でさらなるシェア拡大を実現するには、これまで以上のラインアップの拡充が必須であり、Presarioシリーズはその重責を担うだけのポテンシャルは秘めていると思うからでもある。
日本では、Pavilionシリーズが海外のPresarioシリーズと重なる位置にあるため、なかなかブランドの切り分けが難しい現状にある。しかし、ブランド消滅後も特別モデルとして一部量販店で販売されていたこともあり、復活の可能性がないわけではないようだ。HP関係者の意見を総合すると、「日本ではVoodoo PCよりも発売される見込みはある」ようなので、まずは期待をしておきたいところではある。
以下では、展示されていたPresarioシリーズを紹介しよう。
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