レビュー
» 2008年07月27日 11時44分 公開

代替わりはしたけれど:これはお買い得な地デジPCだ――「HP TouchSmart PC IQ700」シリーズ (1/3)

次世代モデルが発表されたばかりの「HP TouchSmart PC」だが、価格がグッと下がった第1世代もまだまだ捨てがたい魅力がある。

[坪山博貴,ITmedia]

明確なコンセプトを持った液晶一体型デスクトップPC

 指1本でPCを操作できるタッチインタフェースを採用した日本ヒューレット・パッカード(HP)の「TouchSmart PC」。2007年9月の発表を経て、12月には地上デジタル放送対応モデルが登場し、2008年7月18日にはボードPCとして生まれ変わった第2世代モデル「HP TouchSmart PC IQ500シリーズ」が発売された。すでに旧モデルとなった第1世代の「HP TouchSmart PC IQ700シリーズ」だが、標準モデルで7万9800円(HP Directplus価格)、地上デジタルチューナーとOffice Personal 2007のセットで11万9700円(HP Directplus価格)と非常にお買い得となっている。地デジチューナーを内蔵した「IQ786jp」に触れる機会を得たのでレビューをお届けしよう。

第1世代のTouchSmart PC IQ700シリーズ(写真=左)。家族間のコミュニケーションツールに主眼が置かれた(写真=中央)。第2世代のIQ500シリーズではボードPCに生まれ変わった(写真=右)

 HPのコンシューマー向けのデスクトップPC「HP TouchSmart PC」は、国内で主流になっている液晶一体型モデルだ。ディスプレイにはタッチパネル機能を持つ19型ワイド光沢液晶を搭載し、使い勝手を優先したデザインを採用する。国内メーカーの液晶一体型PCの多くがプライベートユースを強く意識しているのに対し、同じ一体型PCでも本機は家族間のコミュニケーションツールとしての役割も与えられている。

 第2世代では、国内PCベンダーが数多く手がけているボードPCに生まれ変わったTouchSmart PCだが、第1世代は薄型テレビを意識したようなタイプでもなく、いかにもPCらしいスタイリッシュさを追求している。小型化よりも使い勝手を優先し、本体部+ディスプレイアーム+液晶ディスプレイという3ピース構造を採用する。2軸構造のディスプレイアームに液晶ディスプレイが接続され、ディスプレイはスイベル機構こそ取り入れていないが、角度だけでなく高さ(379.6〜469.8ミリ)調整も可能だ。特に上向き方向への角度調整幅が広く、多少低い位置に本体を設置しても立ったままでタッチ操作を無理なく行える。

 スロットイン式のDVDスーパーマルチドライブ(DVD+R DL対応)、2基のUSB 2.0ポート、4ピンのIEEE1394ポート、2つのメモリカードスロット、各種インジケータランプはすべて前面に並んでおり、デザインのために使い勝手を犠牲にするレイアウトは一切ない。

 ボディサイズは553.2(幅)×267.2(奥行き)ミリと大柄で、背面からさらに電源ケーブルや各種ケーブルが出っ張るので設置面積はそれなりに必要だ。とはいえ、付属のワイヤレスキーボードは本体下部に収納できるし、同社の小型フォトプリンタ「Photosmart A628」をディスプレイ背面に置けるなど、設置スペースを節約する配慮は見られる。

タッチ機能に対応した19型ワイド光沢液晶ディスプレイを採用する(写真=左)。液晶ディスプレイの両脇にスピーカーが内蔵される。ディスプレイアームはアーチ状になっている(写真=中央)。USBやサウンド関連の端子は背面下部にもあり、地上デジタルチューナーやB-CASカードスロットは左側面下部にある。前面左下にスロットイン式のDVDスーパーマルチドライブを内蔵する(写真=右)。メディア操作ボタンも用意される

側面から見るとユニークな形状をしているのが分かる。液晶ディスプレイは角度調整だけでなく高さ調整も可能だ(写真=左と中央)。また、背面に同社の小型フォトプリンタ「Photosmart A628」を設置でき、付属ケーブル1本で電源供給を含めて接続が行える。プリントアウトされた用紙は液晶ディスプレイ下部から取り出せるのも気が利いている。なお、写真はテレビ機能を内蔵していないモデルだ

Windows Vistaを快適に使える充実のスペックと優れた静音性

背面のネジを2本外すとカバーが外れて内部にアクセスできる

 PCのスペックを確認しておこう。第1世代のIQ700シリーズはモバイル向けのAMDプラットフォームを採用しており、CPUはデュアルコアのAMD Turion 64 X2シリーズを、メモリはノートPC用で2Gバイト〜4Gバイトを装備する。GPUはNVIDIA GeForce Go 7600だ。エントリーモデルでもTurion 64 X2 TL-60(2.0GHz)、2Gバイトのメモリを搭載し、PCとしての基本スペックに不満はない。少なくとも、現時点ではWindows Vistaを快適に利用するためのスペックを十分に満たしている。なお、HDDは3.5インチのSerial ATA接続で、評価機の容量は500Gバイトだった。

 有線LANはギガビット対応、無線LANはIEEE802.11a/b/gのデュアルバンド対応タイプを内蔵する。USB 2.0ポートは前面に2基と背面に3基、IEEE1394を前面(4ピン)と背面(6ピン)に備え、拡張性も充実している。マウスとキーボードは2.4GHz帯を使ったワイヤレスタイプで、キーボードはテンキーを備えつつ本体幅に収まるコンパクトなタイプを採用する。

 19型ワイド液晶ディスプレイは、画面解像度が1440×900ドットの光沢仕様だ。表面には同社がBrightViewと呼ぶ光沢処理が施され、手元の液晶テレビ(標準画質)と比較してもわずかに色の淡白さを感じる程度で、タッチパネルだからといって画質の劣化は見られない。これは、ディスプレイ表面に余分なパネルやシートが不要な光学式センサを用いてタッチパネル機能を実現しているからだ。地上デジタルチューナー内蔵PCとしても及第点に達しているといえるだろう。画面への映り込みも光沢タイプとしてはほぼ標準的で、視野角は上下が少し狭いが、左右に関しては不満に感じない。上下の視野角に関してはディスプレイの角度調整で対応すれば問題ないだろう。

 搭載するCPUとGPUからも分かるように、本機はノートPC向けのコンポーネントを利用することで高い静音性を獲得している。読み書き性能とのトレードオフもあるが、DVDスーパーマルチドライブにスリムタイプを採用することで、5インチドライブにありがちなメディア挿入時のごう音が発生せず、DVD-Video再生時などの動作音も無音に近い。ランダムアクセス時にシーク音が気になる程度だ。もちろんシステム全体としての動作音も静かな部類に入る。

液晶ディスプレイは1440×900ドット表示に対応する(写真=左)。赤外線リモコンをはじめ、ワイヤレスキーボードとマウスが付属(写真=中央)。液晶上部に130万画素のWebカメラとマイクを内蔵し、動画メモや音声メモを手軽に作成できる(写真=右)

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