大容量HDDの低価格化は10月に入っても収まらない。10月8日には、現行で最大容量となる1.5Tバイトの3.5インチHDD「Barracuda 7200.11 ST31500341AS」が登場したが、初回から2万円以下で販売するショップがいくつかあった。
あるショップは「1Tバイトが1万円を切るのがあたりまえになっている今、最大容量だからといって3万や4万円も出す人は皆無です。2万円前後というのは、安からず高からずで妥当な額ではないでしょうか」と語る。
さらに低価格化が激しいのはSSDだ。10月初旬にはバッファローの30Gバイトモデル「SHD-NSUM30G」が1万5000円で登場し、従来モデルも週を追うごとに値が下がっていった。特に、新モデルが登場したあとの旧モデルは値下がりが激しい。フェイス PC館は、トランセンドの32GバイトSSD「TS32GSSD25S-M」と同「TS32GSSD25M」の値札にある「1万9800円」の文字から「1」を消して「9800円」にしていた。
同ショップは「SSDは入荷してから腐るまで早すぎ。まあ、フラッシュメモリが値下がりするのは恒例なので予想はしていましたけど、それでも早すぎ。といっても、入荷しないわけにはいかないので、数を見極めて仕入れていたつもりですが、ご覧の通りに腐ってしまって、半額にせざるを得ないモデルも出てしまうわけです」と嘆いていた。
なお、ストレージの変わり種としては、DDR2メモリを最大8本装着して、2台のSerial ATA IIストレージとして使える「ANS-9010」も登場している。10月31日にドスパラ秋葉原本店に入荷した際は、開店から1時間で売り切れるほどの人気だった。11月初旬現在は、いくつかのショップが少数の在庫を持っているが、再入荷のめどが立っていないため、入手困難な状況はしばらく続きそう。価格は3万2000円から4万円弱のあいだだ。


10月初旬から、1TバイトHDDは7980円の特価で売られるなど、低価格化が順調に進んでいる(写真=左)。修正液で1が消されたフェイスPC館のSSD(写真=中央)。ACARDテクノロジー「ANS-9010」(写真=右)10月に入って注目を集めたキーワードの1つは「GPGPU」だろう。GPGPUはGPUを描画処理以外にも活用できるようにするもので、AMDとNVIDIAが異なるアプローチから実用化を推進してきた。10月後半には、AMDのGPGPUを利用して動画のエフェクトなどをかける機能を備える動画編集ソフト「Super LoiLoScope」をバンドルしたグラフィックスカードが登場している。Sapphireの「SHD485LS-512ER」で、価格は3万円弱だ。
また、AMDとNVIDIAはともにユーザーイベントを実施してGPGPUのメリットをアピールした。10月18日の「AMD 秋の大収穫際〜穫れたて製品から最新デモまで、全部見せます〜」では、上記のSuperLoiLoScopeのデモに加えて、AMDの森本竜英氏らがRADEONブランドを使った、リアルタイムレンダリング処理などを披露。
対するNVIDIA陣営は、10月26日に「NVIDIA GeForce Graphics+」を開催し、自社が推し進めるGPGPU「CUDA」を採用したソフトなどを紹介した。こちらは、ペガシスが動画編集ソフト「TMPGEnc 4.0 XPress」、トムソン・カノープスが動画編集ソフト「EDIUS Pro 5」などで、その効果をアピールしている。
現状では、動画のエンコード処理にGPGPUを使った製品は登場していないが、年内の対応を目指すソフトウェアベンダーは多い。ちなみに、動画エンコードなどを専門で処理する東芝製「SpursEngine」を搭載した拡張カードは、11月中旬に登場する予定だ。


AMDのユーザーイベントで披露されたSuperLoiLoScopeのデモ(写真=左)。NVIDIAのイベントでは、CUDAの汎用性の広さと可能性が強調された(写真=中央)。11月中旬に登場予定のSpursEngine搭載カード、リードテック「WinFast PxVC1100」(写真=右)
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