いつでもどこでもインターネット――「LaVie G タイプJ」FOMAハイスピード対応モデルの魅力docomo×NEC

» 2008年11月13日 18時00分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

 NECの直販Webサイト「NEC Direct」には、12.1型ワイドのモバイルノートPC「LaVie J」をベースとして、下り最大7.2MbpsのFOMAハイスピード(HSDPA)に対応したワイヤレスWAN内蔵モデルが用意されている。NECとNTTドコモの製品担当者にその魅力を聞いた。

(聞き手:坪山博貴)

スマート&簡単に“どこでもインターネット”を

――まずはじめに、「LaVie G タイプJ」のFOMAハイスピード対応モデルのコンセプトをお聞かせください。

日本電気株式会社 パーソナルソリューション事業部主任 田中映子氏

田中 まずこだわったのは「スマート」であることです。通信モジュールもカードタイプなら出っ張るのは一部ですが、この出っ張りがモバイルでの持ち運びには結構な問題になります。ノートPCをカバンに収容するには問題がなくても、カードの出っ張りがちょっとした衝撃で故障の原因になることもあります。見た目にもスマートじゃないですよね。

 加えて「簡単」という点にも注力しました。購入した時点で接続用ソフトウェアもプリインストールされていますから、ソフトのインストールや設定は不要です。また、PC購入時にWebからそのままFOMAの契約手続きもできますから、SIMが届いたら装着して初期設定をしてしまえば、その後は接続ソフトを起動するだけで、全国のFOMAが使えるエリアで高速インターネット接続を利用できます。この点はドコモさんにも多大なる協力を頂きました。

――モバイルでのインターネット利用といえば、公衆無線LANもありますよね。バッテリーでの動作時間は、無線LANと比較してどうなんでしょうか。

NECパーソナルプロダクツ株式会社 PC事業本部 開発生産事業部 技術戦略部主任 保谷美代子氏

保谷 どういった頻度で実際に通信が行われるかにも左右されますが、消費電力としては内蔵の無線LANとFOMA通信モジュールは大きくは変わりません。例えば、バッテリパックLならカタログの動作時間は約8時間ですが、これは携帯電話の待機時間と同じで、通信をしている実際の利用時間とは違います。

 とはいえ、つなぎっぱなしでデータを受信し続けた状態でも 3時間程度は使えます。ごく当たり前のインターネットの使い方であればもう少し長い時間使えると思いますよ。例えば、片道2時間程度の出張でメールしながら作業、という程度の利用であれば、十分に使える感覚だと思います。

――設計上の苦労があれば、お聞かせください。

保谷 まずFOMA通信モジュールですが、元々「LaVieG タイプ J」はmini PCI Expressスロットを2つ備えているので、無線LANとの両立も問題はありませんでした。ワイヤレスUSBとはどちらかを選択することになりますが、こっちは屋内利用向けの機能です。12型ワイドの画面サイズだと屋内で使うコンパクトなメインノートPCとして購入される方もいらっしゃって、そういう方にワイヤレスUSBは便利なんです。これに対して無線LANはいまや必須ですから、屋内利用が中心ならワイヤレスUSB、モバイルで使うならFOMAモジュールと、排他的に選択できるようになっています。

 設計上の苦労と言えば、特にアンテナですね。FOMAハイスピード対応モデルの場合、無線LANは802.11n対応なので、これだけでアンテナが3つ入ってます。これにFOMAのアンテナがダイバーシティなので2つ。ノートPCにとって、アンテナの位置として理想的なレイアウトは、開いているディスプレイの部分なので、アンテナはすべてディスプレイ側に配置しています。左右の両端と上端に802.11nのアンテナ、上端に2つのFOMAのアンテナが入っています。物理的に収めること事態はそれほど難しくないのですが、実際に電波の送受信が最適に行えるように配置するのはかなり大変でした。

田中 「LaVieG タイプ J」が持つデザインを崩さないと言う点も開発陣には苦労をかけた部分です。もともと非常にシンプルでフラットなデザインを特徴にしていますから、ここがアンテナです、みたいなデザインにはしたくなかった。小型ノートPCにとって重要なボディ強度の確保と軽量化のために、天板にはマグネシウムを使っているのですが、マグネシウムは電波を遮断してしまいます。そこでなんとかアンテナが内蔵された部分だけを素材変更して、形状はほぼ崩さずに電波の高い送受信能力とデザインを両立することができました。

――通信モジュールはドコモから供給される形なんですか?

保谷 いえ、自社で選定したモジュールです。FOMAのHSDPAは国際規格なので、複数の製品からパフォーマンスや消費電力と言った点で最適なモジュールを選ぶことができました。もちろん動作検証にはドコモさんに協力を頂いて、FOMAネットワークで問題なく利用できることを確認済みです。アンテナ配置には苦労した甲斐もあって、電波の送受信感度では高い評価を頂いています。

――FOMAは東名阪で1.7GHz帯も使用していますが対応済みですか?

保谷 いえ、これは2GHz帯専用です。1.7GHzも国際標準の周波数帯ですがまだ世界的に見て需要が少ないので、2GHzと1.7GHzのデュアルバンドだと内蔵に適したモジュールがまだないのです。ここは割り切らざるえなかった部分ですね。

――3G携帯ネットワークを利用する定額インターネット接続サービスはauやイー・モバイルも始めています。パートナーにドコモを選択した理由はなんでしょう?

田中 まず利用エリアです。とにかく全国の広いエリアで使えてほしいし、都市部では地下街がエリア化されているかといったあたりも重要です。加えて、内蔵モジュールの通信速度もポイントになります。そしてこの2点を満たすのは、現状ではFOMAだけという結論になりました。

 「定額データプラン」はサービス開始当初こそ制限が多かったと思いますが、これも着実に緩和されてモバイル利用では不便はほとんどなくなってると思います。これ以外にスループットが安定しているという点も、FOMAを選んだ大きな理由の1つですね。料金面でも割引サービスが追加されるなど、いろいろ配慮されていると思います。

“使い勝手が悪い”というイメージは払拭してほしい――NTTドコモ

――それではドコモさんにおうかがいします。7.2Mbps対応など定額データプランの現状についてお聞かせ願えますか?

NTTドコモ ユビキタスサービス部 プラットフォームサービス企画担当 本多久美子氏

本多(NTTドコモ) まず、HSDPAはドコモではFOMA HIGH-SPEEDと総称していますが、対応エリアについては急速に拡大していて、全国人口カバー率の98%となっておりますので、都市部はもちろん郊外まで全国をカバーしています。もちろん、これからも拡大していきます。またFOMAハイスピードエリアでは受信最大7.2Mbpsでの高速通信が可能ですので、快適にネット環境がご利用できます。

 サービス開始当初は利用できるアプリケーションに制限があり、「使いにくい」というお客様の声もいただいておりましたが、ご存じのとおり、現在ではVPNやFTPも利用できるようになっていますし、モバイル環境で自宅のPCのデスクトップ画面を表示して操作できるリモートデスクトップなども使えます。

 ストリーミングでの動画配信についてもネットワークへの負担が大きいと言うことで制限していますが、YouTubeやニコニコ動画のようなFLV動画なら大丈夫です。モバイル利用で制限を感じることはほとんどないでしょうし、速度面で競合サービスには負けません。当初の「制限が厳しい」「使い勝手が悪い」というイメージは是非払拭してほしいと思っています。

――料金面でも9月からは2年契約であれば実質の大幅値下げになっていますよね。今後の料金面はどうですか?

NTTドコモ ユビキタスサービス部 プラットフォームサービス企画担当 佐藤弓恵氏

佐藤(NTTドコモ) 「定額データ割」のことですね。2年契約が前提ではありますが、上限金額が税込6720円/月(ほかに対応ISP料金が必要)という定額料金はドコモのエリアの優位性、速度、品質を考えると競争力はあると思っています。今後については、現在決まったことは何もないのですが、もちろんできるだけリーズナブルにしていきたいと思っています。

田中 是非是非、値下げをお願いします(笑)。そうしていただけるとFOMAハイスピード対応モデルがますます魅力的になりますから。

――最後になりますが、この「LaVie G タイプJ」FOMAハイスピード対応モデルをどういったユーザーに使っていただきたいですか?

田中 すでにモバイルを活用している方はもちろんですが、「出先でインターネットって簡単? 公衆無線LANって何?」といった方にも是非使ってほしいですね。モバイルに興味があってもハードルが高くて利用に踏み切れない人ってまだまだ多いと思うんです。「LaVie G タイプJ」のFOMAハイスピード対応モデルなら購入から使いはじめまでものすごく簡単ですし、屋外、屋内問わず広いエリアで使えます。「生活に自然に溶け込むカラーリング」を意識したポタリーホワイトのカラーリングも選べますし、男性女性問わずモバイルにトライしてみてほしいですね。


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