また「写真編集」メニューでは、写真の回転やセピア調にするなどの簡単な編集も可能。もっともあくまで簡易編集機能のため、表現にこりたい時は画像編集ソフトを使ってあらかじめ編集を加えておくといい。
最終的なムービー書き出しでは、DVD作成のほかに、MP4、AVI、WMV、3GP、MPEG-2に対応している。今回はVGAサイズのAVIに書き出したが、解像度やフレームレートの調整も可能だ。できれば、付属のデジタルフォトフレームに最適化したメニューもほしいところだが、説明書によるとAVIなら720×480ピクセル、30fps、音声44.1KHzを推奨している。
販売元のワンダーシェアによると、エフェクトやクリップアートはユーザー向けに追加アイテムを無償ダウンロードで提供していく方針だという。「できれば季節ごとに追加していきたい」ということなので期待したい。
さて、付属のデジタルフォトフレームをチェックしよう。光沢のある黒いフェースに7V型のワイド液晶パネルを組み込んだスタイルで、パネル解像度は480×237ピクセル。付属のスタンドを背面に取り付け、視聴時の角度を調整できる。また背面上部にはステレオスピーカーと本体操作ボタンが用意されているが、「上からのぞき込んだときに分かりやすい」ようにボタンのシルク印刷は逆さまになっている。
内蔵メモリは32Mバイト+1Gバイト。この表記から想像できるように、もともとの仕様は32Mバイトなのだが、フォトムービーを入れて両親にプレゼントするといった用途を想定して1Gバイトのメモリを追加したという。確かに、メモリが足りないからといって、普段デジカメなどで使用しているSDメモリーカードを一緒にプレゼントするわけにもいかないから、うれしい配慮といえる。
対応フォーマットは、画像がJPEG(ベースライン、プログレッシブ)、BMPで、音声はMP3、AAV-LC、WMA、動画はMPEG-1/2(MPG、DAT、VOB)、MPEG-4(Xvid、3ivX、M4S2、MP4S)と幅広い。ソフトウェアにバンドルされていることもあり、動画再生を正式にサポートした。何年か前のネットワークメディアプレーヤー並みに幅広い形式のファイルを再生可能だ。
試しにXvidの動画ファイルやWMAの楽曲ファイルなども再生してみたが、当然問題なく視聴できた。視野角が少し狭いのが気になっただが、価格を考えれば十分に納得できるレベル。動画の早送り/巻き戻しは2/3/8/16/32倍速までサポートしており、リモコンの反応も悪くない。使い勝手は本当にSD解像度時代のメディアプレーヤーと同じだ。フォントや音楽再生時の画面デザインなどにも見覚えがあるので、おそらくデコードチップや基本ソフトウェアは共通と思われる。
ただ、メインメニューのアイコンなどは昔より洗練され、時計やアラーム、カレンダーといった卓上の表示デバイスに合わせた機能も盛りこまれている。実際、これが1台あればフォトフレーム本来の役割に加え、音楽再生や動画再生など、かなり幅広く利用できるはず。ネットワーク機能に対応していないのが少し残念だ。
ともあれ、ソフトと合わせて1万800円という価格は、コストパフォーマンスの面で非常に魅力的だ。デジタルフォトフレームに興味をもっている人の入門用として、また冒頭で触れた帰省需要にもぴったりの製品といえる。問題は、帰省用に購入したのに親にあげるのがもったいないと感じてしまうことだろうか(←親不孝)。
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