日本のネットユーザー、子どものネット利用は「子ども自身の責任」4割──シマンテック調査

» 2009年04月07日 18時12分 公開
[岩城俊介,ITmedia]
photo リポート結果を説明するシマンテック リージョナルプロダクトマーケティングシニアマネージャの風間彩氏

 「日本のネットユーザーは他国より消極的で、子どものネット利用への対策は不足、そしてセキュリティ意識は希薄」──。セキュリティスイート「ノートン360」などを開発するシマンテックは4月7日、12カ国のインターネットユーザーを対象にした調査リポート「第2回 ノートン・オンライン生活レポート」を発表した。

 この調査結果によると、日本のインターネットユーザーは他国と比べ、オンラインでの友人と実際に会うといった“オンラインに関連した活動”の割合が少なく、子どものインターネット利用状況の把握レベルが低く、全体的なセキュリティ意識も低めとする結果を示した。

 とくに子どものインターネット利用に関する意識が他国と異なる傾向が見られる。「インターネット利用において、子どもたちを保護するのは誰の責任か」という問いで「親」の割合が99%のカナダ、98%のフランス、97%のアメリカに対し、日本は最低の79%(平均90%)。逆に「子ども」の割合が最多の40%に達した(平均19%)。「インターネットでの安全な習慣について、子どもと話したことがある」の問いもカナダの87%に対し、日本は最低の22%。「自分が育ったころはインターネットが身近でなかったため、これに関するルールを作るのが難しい」と考える人も日本ユーザーは平均値以上の38%に達している。

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 このほか、セキュリティソフトを所持する割合は他国より高いが、「(分かっているが面倒なので)安全でないパスワードを使用している」割合が43%(平均45%)、「ファイルのバックアップを作成していない」は最多の66%(平均55%)、「個人情報の安全(を維持するの)に自信がない」も最多の55%(平均29%)。「ひんぱんにウイルススキャンを実行する」は最低の52%(平均79%)、「インターネット利用において個人情報の安全を守る方法を知らない(知っていることに同意しない)」割合も最多の29%(平均16%)という結果。同社は他国のインターネットユーザーと比べると、日本ユーザーはインターネット利用そのものの知識とともにセキュリティ意識が希薄であり、家族の親子間の結びつきの弱さもかいま見える傾向があると警鐘を鳴らした。

photophoto 「第2回 ノートン・オンライン生活レポート」の一部

 このリポートの調査期間は2008年10月13日から12月5日。対象はイタリア、インド、英国、オーストラリア、カナダ、スウェーデン、中国、ドイツ、日本、ブラジル、フランス、米国の、月1時間以上インターネットを使用する18歳以上の大人6427人(8〜17歳の子どもを持つ親1297人を含む)と8〜17歳の子ども2614人の計9141人。このうち、日本の対象は大人522人(8〜17歳の子どもを持つ親108人を含む)、8〜17歳の子ども211人(12カ国それぞれの調査結果はインターネット人口により必要に応じて加重、総合調査結果も12カ国におけるインターネットユーザーの相対的比率に基づきデータを統合、加重)。

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